三角行列の性質 123456 : 現在の問題 : 前回正解 : 前回不正解 : 未挑戦 ※ 番号をクリックすると問題を選択することができます。※ ログインすると解答履歴残すことができます。問題次の主張の真偽として正しいものを以下の選択肢から選びなさい。 「上三角行列と上三角行列の積は上三角行列である。」 正しい正しくない解説を見るギブアップ...次の問題へ進む例えば $3$ 次の上三角行列の場合 $(a11a12a130a22a2300a33) (b11b12b130b22b2300b33) = (a11b11a11b12+a12b22a11b13+a12b23+a13b330a22b22a22b23+a23b3300a33b33)$ となり, 上三角行列となっていることがわかる。 より一般に, $2$ つの $n$ 次上三角行列 $A$, $B$ の $(i,j)$ 成分をそれぞれ $a_{ij}$, $b_{ij}$ とすると, $AB$ の $(i,j)$ 成分は $\displaystyle \sum_{k=1}^na_{ik}b_{kj}$ と表せる。また, $A$, $B$ は上三角行列であるから $j\lt i$ ならば $a_{ij} = b_{ij} = 0$ であることに注意する。 $j \lt i$ の時, 各 $k = 1,2,\cdots n$ に対して $k \leqq j$ の時 $a_{ik} = 0$ $j \lt k$ の時 $b_{kj}=0$ よって $\displaystyle n∑k=1aikbkj=j∑k=1aikbkj+n∑k=j+1aikbkj=0+0=0$ よって $AB$ の $(i,j)$ 成分は $0$ となり, $AB$ は上三角行列であることがわかる。 閉じる問題次の主張の真偽として正しいものを以下の選択肢から選びなさい。 「下三角行列と下三角行列の積は下三角行列である。」 正しい正しくない解説を見るギブアップ...次の問題へ進む例えば $3$ 次の下三角行列の場合 $(a1100a21a220a31a32a33) (b1100b21b220b31b32b33) = (a11b1100a21b11+a22b21a22b220a31b11+a32b21+a33b31a32b22+a33b32a33b33)$ となり, 下三角行列となっていることがわかる。 より一般に, $2$ つの $n$ 次上三角行列 $A$, $B$ の $(i,j)$ 成分をそれぞれ $a_{ij}$, $b_{ij}$ とすると, $AB$ の $(i,j)$ 成分は $\displaystyle \sum_{k=1}^na_{ik}b_{kj}$ と表せる。また, $A$, $B$ は下三角行列であるから $i \lt j$ ならば $a_{ij} = b_{ij} = 0$ であることに注意する。 $i \lt j$ の時, 各 $k = 1,2,\cdots n$ に対して $k \leqq i$ の時 $b_{kj} = 0$ $i \lt k$ の時 $a_{ik}=0$ よって $\displaystyle n∑k=1aikbkj=i∑k=1aikbkj+n∑k=i+1aikbkj=0+0=0$ よって $AB$ の $(i,j)$ 成分は $0$ となり, $AB$ は下三角行列であることがわかる。 閉じる問題次の主張の真偽として正しいものを以下の選択肢から選びなさい。 「上三角行列の転置行列は上三角行列である。」 正しくない正しい解説を見るギブアップ...次の問題へ進む$A= (1101)$ とすると $A$ は上三角行列であるが ${}^tA = (1011)$ となり, これは上三角行列ではない。 よってこの主張は正しくない。 より一般には, 上三角行列は対角成分より下の成分が $0$ なので, その転置行列は対角成分より上の成分が $0$ となる。 すなわち上三角行列の転置行列は下三角行列である。 閉じる問題次の主張の真偽として正しいものを以下の選択肢から選びなさい。 「下三角行列の転置行列は下三角行列である。」 正しくない正しい解説を見るギブアップ...次の問題へ進む$A= (1011)$ とすると $A$ は下三角行列であるが ${}^tA = (1101)$ となり, これは下三角行列ではない。 よってこの主張は正しくない。 より一般には, 下三角行列は対角成分より上の成分が $0$ なので, その転置行列は対角成分より下の成分が $0$ となる。 すなわち下三角行列の転置行列は上三角行列である。 閉じる問題次の主張の真偽として正しいものを以下の選択肢から選びなさい。 「どんな行列も上三角行列を右から掛けると上三角行列になる。」 正しくない正しい解説を見るギブアップ...次の問題へ進む$A = (1111)$ $B = (1101)$ とすると $AB = (1212)$ となり, これは上三角行列ではない。 よってこの主張は正しくない。 閉じる問題次の主張の真偽として正しいものを以下の選択肢から選びなさい。 「ある行列が上三角行列かつ下三角行列であれば, それは対角行列である。」 正しい正しくない解説を見るギブアップ...次の問題へ進む対角成分より下の成分が全て $0$ である行列が上三角行列であり, 対角成分より上の成分が全て $0$ である行列が下三角行列である。 上三角行列かつ下三角行列であれば, 対角成分以外の成分が全て $0$ であるから, それは対角行列である。 閉じる free 学習コース 数学チャンネル(線形代数 II) 5. 消去法 練習問題一覧 三角行列の性質 拡大係数行列 行基本変形1 行基本変形2 連立一次方程式1 連立一次方程式2 行基本変形を表す行列 列基本変形を表す行列 2次の LU 分解 3次の LU 分解 2次のコレスキー分解 3次のコレスキー分解 動画で復習!! I. 連立方程式を消去法で解いてみよう
例えば $3$ 次の上三角行列の場合
$(a11a12a130a22a2300a33) (b11b12b130b22b2300b33) = (a11b11a11b12+a12b22a11b13+a12b23+a13b330a22b22a22b23+a23b3300a33b33)$
となり, 上三角行列となっていることがわかる。
より一般に, $2$ つの $n$ 次上三角行列 $A$, $B$ の $(i,j)$ 成分をそれぞれ $a_{ij}$, $b_{ij}$ とすると, $AB$ の $(i,j)$ 成分は
$\displaystyle \sum_{k=1}^na_{ik}b_{kj}$
と表せる。また, $A$, $B$ は上三角行列であるから
$j\lt i$ ならば $a_{ij} = b_{ij} = 0$
であることに注意する。
$j \lt i$ の時, 各 $k = 1,2,\cdots n$ に対して
よって
$\displaystyle n∑k=1aikbkj=j∑k=1aikbkj+n∑k=j+1aikbkj=0+0=0$
よって $AB$ の $(i,j)$ 成分は $0$ となり, $AB$ は上三角行列であることがわかる。