$Q1$.
次の行列について, 対角化行列を求め対角化しなさい。
$Q2$.
次の行列について, 対角化行列を求め対角化しなさい。
$|\lambda E -A|=0$ とすると
$|λE−A|=|λ+1−21−2λ+222−1λ−1|=λ3+2λ2−5λ−6=(λ+3)(λ+1)(λ−2)=0$
より $\lambda = -3,-1,2$ となります。
$\lambda = -3$ の時,
$(−3E−A)→x=(−2−21−2−122−1−4)(xyz)=(−2x−2y+z−2x−y+2z2x−y−4z)=(000)$
これを解くと $2x = 3z$, $y = -z$ となります。よって固有ベクトルは
$\overrightarrow{x_1} = c_1(3−22)~~$ ($c_1\not=0$)
となります。
$\lambda = -1$ の時,
$(−E−A)→x=(0−21−2122−1−2)(xyz)=(−2y+z−2x+y+2z2x−y−2z)=(000)$
これを解くと $2x = 5y$, $z = 2y$ となります。よって固有ベクトルは
$\overrightarrow{x_2} = c_2(524)~~$ ($c_2\not=0$)
となります。
最後に $\lambda = 2$ の時,
$(2E−A)→x=(3−21−2422−11)(xyz)=(3x−2y+z−2x+4y+2z2x−y+z)=(000)$
これを解くと $x = y$, $z = -y$ となります。よって固有ベクトルは
$\overrightarrow{x_3} = c_3(11−1)~~$ ($c_3\not=0$)
となります。
よって対角化行列を $P$ とすると
$P = (351−22124−1)$
であり, また $P^{-1}$ を計算すると
$P^{-1} = \dfrac{1}{30} (6−9−3055122−16)$
となるので
$P−1AP=130(6−9−3055122−16)(−12−12−2−2−211)(351−22124−1)=(−3000−10002)$
となります。
$Q3$.
次の行列について, 対角化行列を求め対角化しなさい。
$|\lambda E -A|=0$ とすると
$|λE−A|=|λ+12−22λ+1−2−1−1λ|=λ3+2λ2−7λ+4=(λ−1)2(λ+4)=0$
より $\lambda = -4,1$ となります。
$\lambda = -4$ の時,
$(−4E−A)→x=(−32−22−3−2−1−1−4)(xyz)=(−3x+2y−2z2x−3y−2z−x−y−4z)=(000)$
これを解くと $x = y$, $y = -2z$ となります。よって固有ベクトルは
$\overrightarrow{x_1} = c_1(22−1)~~$ ($c_1\not=0$)
となります。
$\lambda = 1$ の時,
$(E−A)→x=(22−222−2−1−11)(xyz)=(2x+2y−2z2x+2y−2z−x−y+z)=(000)$
$z = x + y$ より固有ベクトルは
$\overrightarrow{x_2} = c_2(101)+c_3(011)~~$ ($c_2\not=0$ または $c_3\not=0$)
となります。
よって対角化行列を $P$ は
$P = (210201−111)$
であり, また $P^{-1}$ を計算すると
$P^{-1} = \dfrac{1}{5} (11−13−22−232)$
となるので
$P−1AP=15(11−13−22−232)(−1−22−2−12110)(210201−111)=(−400010001)$
となります。
対角化行列を求めるには, その行列の固有値と固有ベクトルを求めます。
$|\lambda E -A|=0$ とすると
$|λE−A|=|λ−11−2−9λ−8|=(λ−11)(λ−8)−18=λ2−19λ+70=(λ−5)(λ−14)=0$
より $\lambda = 5,14$ となります。
$\lambda = 5$ の時,
$(5E−A)→x=(−6−2−9−3)(xy)=(−6x−2y−9x−3y)=(00)$
となるので $y = -3x$ となります。よって固有ベクトルは
$\overrightarrow{x} = (x−3x) = x(1−3)~~$ ($x\not=0$)
となります。
また, $\lambda = 14$ の時,
$(14E−A)→x=(3−2−96)(xy)=(3x−2y−9x+6y)=(00)$
となるので $2y = 3x$ となります。よって固有ベクトルは
$\overrightarrow{x} = (x32x) = \dfrac{1}{2}x(23) = x'(23)~~$ ($x'\not=0$)
となります。
対角化行列は固有ベクトルを並べて得られるので, 対角化行列を $P$ とすると
$P = (12−33)$
となります。また $P^{-1} = \dfrac{1}{9}(3−231)$ より $P^{-1}AP$ を計算すると
$P−1AP=19(3−231)(11298)(12−33)=19(3−231)(528−1542)=19(4500126)=(50014)$
となり, 対角行列になることが分かります。
※注意
対角化行列を $P$ とした時, $P^{-1}AP$ が対角行列になることは分かっているので, $P^{-1}AP$ の計算を実際に行う必要はありません。
計算ミスをしていないか確認するための検算目的として計算するとよいでしょう。