行列 $\begin{pmatrix} 2 & -1 \\ -2 & 1 \end{pmatrix}$ により表される線形変換 $f$ の, 平面全体の像はどのような図形になるか。最も適切なものを以下の選択肢から選びなさい。
直線 $y = -x$
直線 $y = 2x$
直線 $y = -\dfrac{1}{2} x$
平面全体
点 $(x,y)$ の$f$ による像を $(x',y')$ とすると
$\begin{eqnarray*} \begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix} &=& \begin{pmatrix} 2 & -1 \\ -2 & 1 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}\\[1em] & = & \begin{pmatrix} 2x -y \\ -2x + y \end{pmatrix} \end{eqnarray*}$
ここから
$y' = -x'$
であることがわかる。
また直線 $y = -x$ 上の任意の点 $(p, -p)$ に対し, 点 $(0,-p)$ を考えると, $(0,-p)$ の $f$ による像は
$\begin{pmatrix} 2 & -1 \\ -2 & 1 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} 0\\ -p \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} p \\ -p \end{pmatrix}$
となるので, 点 $(p,-p)$ は $f$ による平面全体の像に含まれる。
以上から, $f$ による平面全体の像は直線 $y = -x$ である。
行列 $\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 4 & 8 \end{pmatrix}$ により表される線形変換 $f$ の, 平面全体の像はどのような図形になるか。最も適切なものを以下の選択肢から選びなさい。
直線 $y = 4x$
直線 $y = \dfrac{1}{4}x$
直線 $y = -2x$
直線 $y = -\dfrac{1}{2}x$
点 $(x,y)$ の$f$ による像を $(x',y')$ とすると
$\begin{eqnarray*} \begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix} &=& \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 4 & 8 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}\\[1em] & = & \begin{pmatrix} x+2y \\ 4x + 8y \end{pmatrix} \end{eqnarray*}$
ここから
$y' = 4x'$
であることがわかる。
また直線 $y = 4x$ 上の任意の点 $(p, 4p)$ に対し, 点 $(p,0)$ を考えると, $(p,0)$ の $f$ による像は
$\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 4 & 8 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} p \\ 0 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} p \\ 4p \end{pmatrix}$
となるので, 点 $(p,4p)$ は $f$ による平面全体の像に含まれる。
以上から, $f$ による平面全体の像は直線 $y = 4x$ である。
行列 $\begin{pmatrix} 3 & 1 \\ 9 & 3 \end{pmatrix}$ により表される線形変換 $f$ の, 平面全体の像はどのような図形になるか。最も適切なものを以下の選択肢から選びなさい。
直線 $y = 3x$
直線 $y = -3x$
直線 $y = \dfrac{1}{3}x$
直線 $y = - \dfrac{1}{3}x$
点 $(x,y)$ の$f$ による像を $(x',y')$ とすると
$\begin{eqnarray*} \begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix} &=& \begin{pmatrix} 3 & 1 \\ 9 & 3 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}\\[1em] & = & \begin{pmatrix} 3x+y \\ 9x+3y \end{pmatrix} \end{eqnarray*}$
ここから
$y' = 3x'$
であることがわかる。
また直線 $y = 3x$ 上の任意の点 $(p, 3p)$ に対し, 点 $(0,p)$ を考えると, $(0,p)$ の $f$ による像は
$\begin{pmatrix} 3 & 1 \\ 9 & 3 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} 0\\ p \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} p \\ 3p \end{pmatrix}$
となるので, 点 $(p,3p)$ は $f$ による平面全体の像に含まれる。
以上から, $f$ による平面全体の像は直線 $y = 3x$ である。
行列 $\begin{pmatrix} 2 & 3 \\ 3 & 2 \end{pmatrix}$ により表される線形変換 $f$ の, 平面全体の像はどのような図形になるか。最も適切なものを以下の選択肢から選びなさい。
平面全体
直線 $y = \dfrac{3}{2}x$
直線 $y = \dfrac{2}{3}x$
直線 $y = -\dfrac{3}{2}x$
点 $(x,y)$ の$f$ による像を $(x',y')$ とすると
$\begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 2 & 3 \\ 3 & 2 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}$
であり, $\begin{pmatrix} 2 & 3 \\ 3 & 2 \end{pmatrix}$ は正則であるから
$\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 2 & 3 \\ 3 & 2 \end{pmatrix}^{-1} \begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix}$
が成り立つ。すなわち平面上の任意の点 $(x',y')$ に対し, 点 $(x,y)$ を
$\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 2 & 3 \\ 3 & 2 \end{pmatrix}^{-1} \begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix}$
と定めれば, $(x,y)$ の $f$ による像は
$\begin{eqnarray*} \begin{pmatrix} 2 & 3 \\ 3 & 2 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} & = & \begin{pmatrix} 2 & 3 \\ 3 & 2 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} 2 & 3 \\ 3 & 2 \end{pmatrix}^{-1} \begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix}\\[1em] & = & \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix} \\[1em] & = & \begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix} \end{eqnarray*}$
よって平面上の任意の点 $(x',y')$ は $f$ による平面全体の像に含まれる。
以上から, $f$ による平面全体の像は平面全体である。
行列 $\begin{pmatrix} 6 & 4 \\ -3 & -2 \end{pmatrix}$ により表される線形変換 $f$ の, 平面全体の像はどのような図形になるか。最も適切なものを以下の選択肢から選びなさい。
直線 $y = -\dfrac{1}{2}x$
直線 $y = \dfrac{2}{3}x$
直線 $y = \dfrac{3}{2}x$
直線 $y =-2x$
点 $(x,y)$ の$f$ による像を $(x',y')$ とすると
$\begin{eqnarray*} \begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix} &=& \begin{pmatrix} 6 & 4 \\ -3 & -2 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}\\[1em] & = & \begin{pmatrix} 6x + 4y \\ -3x - 2y \end{pmatrix} \end{eqnarray*}$
ここから
$y' = -\dfrac{1}{2}x'$
であることがわかる。
また直線 $y = -\dfrac{1}{2}x$ 上の任意の点 $\left(p~, -\dfrac{1}{2}p \right)$ に対し, 点 $\left(0~,\dfrac{1}{4}p \right)$ を考えると, $\left(0~,\dfrac{1}{4}p \right)$ の $f$ による像は
$\begin{pmatrix} 6 & 4 \\ -3 & -2 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} 0\\ \dfrac{1}{4}p \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} p \\ - \dfrac{1}{2}p \end{pmatrix}$
となるので, 点 $\left(p~, -\dfrac{1}{2}p \right)$ は $f$ による平面全体の像に含まれる。
以上から, $f$ による平面全体の像は直線 $y = -\dfrac{1}{2}x$ である。
行列 $\begin{pmatrix} 1 & -4 \\ -4 & 12 \end{pmatrix}$ により表される線形変換 $f$ の, 平面全体の像はどのような図形になるか。最も適切なものを以下の選択肢から選びなさい。
平面全体
直線 $y = 4x$
直線 $y = -4x$
直線 $y = \dfrac{1}{4}x$
点 $(x,y)$ の$f$ による像を $(x',y')$ とすると
$\begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1 & -4 \\ -4 & 12 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}$
であり, $\begin{pmatrix} 1 & -4 \\ -4 & 12 \end{pmatrix}$ は正則であるから
$\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1 & -4 \\ -4 & 12 \end{pmatrix}^{-1} \begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix}$
が成り立つ。すなわち平面上の任意の点 $(x',y')$ に対し, 点 $(x,y)$ を
$\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1 & -4 \\ -4 & 12 \end{pmatrix}^{-1} \begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix}$
と定めれば, $(x,y)$ の $f$ による像は
$\begin{eqnarray*} \begin{pmatrix} 1 & -4 \\ -4 & 12 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} & = & \begin{pmatrix} 1 & -4 \\ -4 & 12 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} 1 & -4 \\ -4 & 12 \end{pmatrix}^{-1} \begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix}\\[1em] & = & \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix} \\[1em] & = & \begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix} \end{eqnarray*}$
よって平面上の任意の点 $(x',y')$ は $f$ による平面全体の像に含まれる。
以上から, $f$ による平面全体の像は平面全体である。