複素数 例題集

$Q1$.
次の複素数を $a+bi$ ($a$, $b$ は実数) の形で表しなさい。

(1) $i^5$
(2) $\dfrac{1}{i}$
(3) $-1 + \sqrt{-2}$
(4) $\dfrac{1}{-2i^3}$
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(1) $i$
(2) $-i$
(3) $-1 + \sqrt{2}i$
(4) $-\dfrac{1}{2}i$

(1)
$i^2=-1$ であるから

$i^5 = i^{2\times 2 +1} = \left(i^2 \right)^2 i = (-1)^2i=i$

(2)
分子と分母にそれぞれ $i$ をかけると

$i = \dfrac{i}{i^2} = \dfrac{i}{-1} = -i$

(3)
正の実数 $a$ に対し, $\sqrt{-a} = \sqrt{a}i$ と定めたので

$-1 + \sqrt{-2} = -1 + \sqrt{2}i$

(4)

$\dfrac{1}{i^3} = \dfrac{i}{i^4} = \dfrac{i}{(-1)^2} = i$

であるから

$\dfrac{1}{-2i^3} = -\dfrac{1}{2}\times \dfrac{1}{i^3} = -\dfrac{1}{2} i$

$Q2$.
次の等式が成り立つように実数 $a$, $b$ の値を定めなさい。

(1) $(2-a) + (b+1)i = -1 +2i$
(2) $(-9-2i)a + (6+3i)b = 3+4i$
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(1) $a=3$, $b=1$
(2) $a=1$, $b=2$

複素数において, $a+bi=c+di$ が成り立つのは $a=c$ かつ $b=d$ の時のみとなります。

(1)
$a+bi=c+di$ ならば $a=c$ かつ $b=d$ なので, 実部と虚部を比べると

$\begin{eqnarray*} 2-a & = & -1 \\ b+1 & = & 2\end{eqnarray*}$

これを解くと, $a = 3$, $b=1$ となります。

(2)
左辺を整理すると

$\begin{eqnarray*}(-9-2i)a + (6+3i)b = (-9a+6b) + (-2a+3b)i\end{eqnarray*}$

よって両辺の実部と虚部を比べると

$\begin{eqnarray*} -9a+6b & = & 3 \\ -2a+3b & = & 4\end{eqnarray*}$

この連立方程式を解くと $a=1$, $b=2$ となります。

$Q3$.
次の値を計算し, $a+bi$ ($a$, $b$ は実数) の形で表しなさい。

(1) $(1+2i) + (4-6i)$
(2) $(3+2i)(4+5i)$
(3) $(-1+3i)^2$
(4) $\dfrac{1}{3-5i}$
(5) $\dfrac{-2+2i}{3-4i}$
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(1) $5-4i$
(2) $2+23i$
(3) $-8-6i$
(4) $\dfrac{3}{34} + \dfrac{5}{34}i$
(5) $-\dfrac{14}{25} - \dfrac{2}{25}i$

(1)
複素数の和・差は実部同士, 虚部同士をそれぞれ計算します。

$\begin{eqnarray*}(1+2i) + (4-6i) & = & (1+4)+(2-6)i\\[0.5em] &= & 5-4i\end{eqnarray*}$

(2)
分配法則を利用して計算します。$i^2=-1$ に注意しましょう。

$\begin{eqnarray*} (3+2i)(4+5i) & = & 12 +15i+8i -10\\[0.5em] & = & 2+23i\end{eqnarray*}$

(3)
$i^2=-1$ に注意しましょう。

$\begin{eqnarray*}(-1+3i)^2 & = & (-1)^2 -2\times 3i + (3i)^2\\[0.5em] & = & 1-6i -9 = -8-6i\end{eqnarray*}$

(4)
$(a+b)(a-b) = a^2 -b^2$ を利用します。

分子と分母にそれぞれ $3+5i$ をかけると

$\begin{eqnarray*} \dfrac{1}{3-5i} & = & \dfrac{3+5i}{(3+5i)(3-5i)}\\[1em] & = & \dfrac{3+5i}{3^2 -(5i)^2}\\[1em] & = & \dfrac{3+5i}{9+25} = \dfrac{3}{34} + \dfrac{5}{34}i\end{eqnarray*}$

(5)
分子と分母にそれぞれ $3+4i$ をかけると

$\begin{eqnarray*}\dfrac{-2+2i}{3-4i} & = & \dfrac{(-2+2i)(3+4i)}{(3-4i)(3+4i)}\\[1em] & = & \dfrac{-6-8i+6i-8}{9+16}\\[0.5em] & = & -\dfrac{14}{25} - \dfrac{2}{25}i\end{eqnarray*}$

$Q4$.
$\alpha = 3+4i$ とした時, 次の値を計算しなさい。

(1) $\alpha + \bar{\alpha}$
(2) $\alpha - \bar{\alpha}$
(3) $\alpha \bar{\alpha}$
(4) $|\alpha |$
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(1) $6$
(2) $8i$
(3) $25$
(4) $5$

複素数 $z = a + bi$ に対し, $a-bi$ を $z$ の共役複素数といい $\bar{z}$ で表します。

(1)

$\alpha + \bar{\alpha} = (3+4i) + (3-4i) = 6$

(2)

$\alpha - \bar{\alpha} = (3+4i) - (3-4i) = 8i$

(3)

$\begin{eqnarray*}\alpha \bar{\alpha}& = & (3+4i)(3-4i)\\[0.5em] & = & 9 + 16 = 25\end{eqnarray*}$

(4)
複素数 $z = a + bi$ に対し, $\sqrt{a^2 + b^2}$ を $z$ の絶対値といい $|z|$ で表します。

$\begin{eqnarray*} |\alpha | & = & \sqrt{3^2 + 4^2}\\[1em] & = & \sqrt{25} = 5\end{eqnarray*}$