4-2 キー

キーの種類

キーには、いろいろな種類があります。下表を参照してください。ひとつずつ説明していきましょう。

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•「平行キー」、「こう配キー」、「半月キー」

一般的によく使われるキーの種類に、「平行キー」「こう配キー」「半月キー」の3種類があります。これらのキーは軸とボスに共通の溝を作り、これにはめ込むようにするものです。こう配は、キーの片側とボスのキー溝に付けます。軸のキー溝には付けません。主にキーの上下にしめしろを付けます。

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キーの材質

キーの材料は、回転を伝えるための荷重に十分耐えられるような、硬くて強い材料を使用します。原則として、引張り強さが600N/mm2以上の鉄鋼を使います。キーに使用される材料は「炭素鋼」の一種で、鉄に炭素が含まれているものです。JISB1301には、以下のような材料が規定されています。S20C-DまたはS45C-D... 炭素鋼で冷間引き抜き加工したもので、一般にみがき鋼といわれます。※S45C:炭素が0.45%含まれていることを表す。

  • S20C-D または S45C-D ‥‥炭素鋼で冷間引き抜き加工したもので、一般にみがき鋼といわれます。
  • SF55          ‥‥炭素鋼鍛鋼品
  • S35C または S45C   ‥‥機械構造用炭素鋼鋼材

キーの寸法と精度

平行キー、こう配キー、半月キーなどは、その形状と寸法がJISに細かく規定されています。

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例えば、呼び寸法(b×h) が2×2のキーの場合、長さ(1)は6~20mmとなっています。この場合、長さは6、8 、10、12、14、16、18、20mmの中から選ぶことになります。

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キーの端部形状も、JISで規定されています。「両丸形」「両角形」「片丸形」の3種類です。こうして規定されていますので、図面に正確に記入しなくても、形状寸法はわかります。

キーの図面上での指示

キーについては、組立図の中の部品類、または部品表の中で指定します。

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細かな寸法公差などは、JIS規格どおりということで、特に記入の必要はありません。もっと丁寧に指示する場合は、下の例1のようにキーの種類を規定した規格番号も付け加えます。

平行キーの表示例
1.JIS B 1301平行キー10×8×40 S45C
2.平行キー両丸形20×14×90


こう配キーの表示例
1.こう配キー20×12×80両丸形S45C-D
2.頭付こう配キー16×10×63 SF55


半月キーの表示例
1.JIS B 1301 WA3×16
2.平底半月キー4×19 S45C

キー溝の描き方

下図のように、キー溝の幅、深さ、長さ、位置、端部を表す寸法を記入します。このとき、キー溝の深さは、キー溝と反対側の軸径面から、キー溝の底までの寸法で表します。この方が加工するときに測定しやすいのです。

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• キー溝への寸法記入

軸のキー溝の場合と同じように、キー溝の深さは、キー溝と反対側の穴径面から、キー溝の底までの寸法で表します(A)。ただし、特に必要がある場合には、(B)や(C)のように例外もあります。

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