4-6 軸受

軸受の種類

• 軸受の分類

○ 軸と軸受の接触状態による分類

すべり軸受‥‥‥‥‥‥軸と軸受がお互いにすべって接触します。

特徴  

  1.  比較的低速回転向きで静かな運転ができる。寿命が長い。
  2.  伝達トルクが大動力で軸受への荷重が大きな箇所に適す。
  3.  軸受への衝撃荷重に強い。
  4.  構造が簡単で製作が容易なため安価で摩耗による修理も簡単にできる。
  5.  接触面積が大きいので特に始動時などに摩擦抵抗が大きい。

ころがり軸受‥‥‥‥‥‥軸と軸受の間に玉やころを入れてころがり接触します。

特徴  

  1.  摩擦抵抗が小さく動力損失が少ない・起動摩擦も小さい。
  2.  高速回転でも摩擦による発熱は少ない。
  3.  外径は大きいが幅は小さくなるので全体の軸受部を小さくできる。
  4.  保守が簡単・グリース封入の場合は特に必要なし・また補給も容易。

○ 荷重の方向による分類

ラジアル軸受‥‥‥‥‥‥軸受に働く荷重の方向が、軸に直角なもの。軸の中心から放射状の方向の荷重、つまりラジアル荷重を受けるので こう呼ばれる。

スラスト軸受‥‥‥‥‥‥荷重の方向が軸に平行な場合。軸方向に推し進める力つまりスラスト荷重を受けるのでこう呼ばれる。

• ラジアルすべり軸受

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• スラストすべり軸受

うす軸受

立形のスラスト軸受で、軸端を臼形になっている軸受メタルで支えます。大きな荷重を支えるのに適しています。

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つば軸受

横型のスラスト軸受で、いくつかのつば状の突起によって荷重を支えます。軸方向の推力が強い場合に用います。

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• ころがり軸受

ころがり軸受は、球体を使った[ 玉軸受]と、円筒を使った[ころ軸受]に分けることができます。また、ころ軸受の一種で、針状のころを利用した「ニードルベアリング」もよく使われます。

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ころがり軸受の図示法

ころがり軸受は、種類、形式、主要寸法がJISによって規定されているので、専門メーカーの製品をそのまま使用する場合がほとんどです。ですから、これを図示するには、差しつかえないかぎり種類、形式がわかる程度の略図で表せばよいのです。その場合は、下に挙げた3つの簡略図示法のどれかを使います。ここでは、「深みぞ玉軸受」を例にとって説明しましょう。

ころがり軸受の簡略図示法

  1. 一般向け説明図
  2. 組立図
  3. 動力系統図

 • 一般向け説明図

下図が、一般向け説明図の例です。ころがり軸受の輪郭を描き、そのほかは図形で軸受けの形式が理解できる程度に描きます。この場合、軸受の輪郭は規定に定められた寸法通りに描きます。また面取り部分も必ず描きます。

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下図が、一般向け説明図の例です。ころがり軸受の輪郭を描き、そのほかは図形で軸受けの形式が理解できる程度に描きます。この場合、軸受の輪郭は規定に定められた寸法通りに描きます。また面取り部分も必ず描きます。

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•組立図

下図が、組立図などで使われる略画法です。この場合は、軸受の輪郭を描き、軸受の形式を表す図示記号を記入します。

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ただし、ころがり軸受の種類を示さず、単にころがり軸受であることを示したい場合はこのように表し
ます。

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•動力系統図

回転の伝わり方を示す、動力系統図などで使われる略画法です。系統を表すために骨組みだけで示す図のような場合にはこのように表します。

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上図は、系統図の例です。この図には、ほかの種類の軸受けも描き込まれています。下の表を参照してください。

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ころがり軸受の呼び番号

ころがり軸受の形式、主要寸法、その他の仕様は「ころがり軸受の呼び番号」で表します。図面へは、下の例のように引き出し線をつかって描き込みます。

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呼び番号は、下表のように分れています。

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上図の[6026C3P6] を例にとってみましょう。

 

60…軸受系列記号 6…形式記号( 単列深みぞ玉軸受)0…寸法記号( 幅記号は省略・ 寸法系列0)

26… 内径番号( 軸受内径は 130 mm )
C3… すきま記号( 普通のラジアル内部すきまより大きい)
p6… 等級記号(6 級)

※ ラジアル玉軸受などでは、幅記号は省略されます。実際に使う場合には、専門メーカーのものを使うことがほとんどなので、メーカーのカタログなどに掲載されているスペック、寸法、呼び番号を、そのまま利用すればよいでしょう。

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