4-8 ばね

ばねのはたらき

ばねは、次のようなはたらきをします。

  1. 振動や衝撃をやわらげる
  2. エネルギを蓄えて動力を供給する
  3. 荷重を計測する
  4. 機械部品を一定方向に押しつける

各種のばね紹介

•コイルばね

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「コイルばね」は、丸棒か四角の線材をねじ状にまいたものです。その用途によって、「ひっぱりばね」「圧縮ばね」「ねじりばね」に分類できます。

•重ね板ばね

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ばね用鋼鈑を数枚重ねて作ります。自動車や電車などで、車両と車軸との緩衝用として利用されます。

•うず巻きばね

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帯状の板、または針金をうず巻き状に巻いたもので、一般には「ぜんまい」と呼ばれています。

•竹の子ばね

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幅の広い帯鋼、または平鋼をうず巻き状にして軸方向に伸ばしたようなばねで、衝撃の緩衝用などに利用されます。

•トーションバー

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ねじり力によってばね作用をさせるもので、ふつう断面形状が円形の棒で、両端は六角形かセレーションが切られています。自動車や電車などの懸架装置などに利用されています。

•さらばね

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皿の形をしたばね鋼を、一枚か数枚重ね合わせて使います。たわみ量は少ないのですが、大きな負荷を受け持つことができます。

ばねの作図法

コイルばねの製作図は、一般に略図と要目表で表します。

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コイルばね製図のポイントを説明します。


• 荷重のない状態で描く
上図では、圧縮コイルばねですので、圧縮されていない状態で描きます。

• 荷重と高さの関係を示す必要がある場合は線図で表す
上図では、圧縮荷重がないときが80mm、荷重が153Nのとき70mm荷重が382Nのとき55mmになるということを表しています。線図の線の太さは、ばねの形状を表す線と同じ太さです。

○ コイルの部分
上図のように、素材の断面と直線で表します。

○ 中間部分の省略

中間部分を省略して表すこともできます。このとき省略する部分の線形の中心線を、細い一点鎖線で表します。

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○ 断面図を使わない場合

断面図を使わない場合も、省略する部分の線形の中心線を細い一点鎖線で表します。

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○ばねの種類と形状だけで表す場合

ばねの種類と形状だけを表す場合は、ばね材料の中心線を太い実線で表します。

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○中間部分の省略

組立図や説明図で、ばねであることが解ればよい程度に図示する場合は、断面だけで表すこともできます。

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•巻初め・巻終りを明らかにするために端面図をそえる

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圧縮コイルばねでは、巻初め、巻終りをはっきりさせるために端面図をそえます。また、コイルの巻初め、巻終りの端末の厚さは材料寸法の1/4を標準として、普通はその厚さを記入します。

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