4-3 ピン

ピンは、機械部品の組み付けの時、あまり力のかからない部分に使用されます。キーと同じように、プーリーとモータ軸の結合などにも使用されるほか、多彩な利用方法があります。ピンには、次のような種類があります。

平行ピン

平行ピンは、JIS B 1354に規定されています。

画像

  • 規格番号・規格名称‥‥‥‥‥‥ピンの種類を規定した規格の番号。またはピンの名称。
  • 種類‥‥‥‥‥‥A種=円筒部の表面粗さRa=0.8μm(円筒研削盤を使用した加工仕上げ仕上がり面はなめらかだが、コストは高くつく)B種=円筒部の表面粗さRa=1.6μm(旋盤を使った加工)C種=円筒部の表面粗さRa=3.2μm
  • 呼び径×呼び長さ‥‥‥‥‥‥①=直径6mm,長さ30mm②=直径6mm,長さ 30mm
  • 材質‥‥‥‥‥‥①=S45C-Q(焼入れをしている炭素鋼)②=St(焼入れをしていない)
  • 指定事項‥‥‥‥‥‥必要があれば記入します。②=りん酸塩被膜処理を施した

テーパピン

テーパピンのテーパ部分の勾配は1/50です。テーパピンは、キーを使うほどの強度を必要としない、軸とボスの結合などに多く使用されます。

スプリングピン

最近よく使われるようになったのがスプリングピンです。スプリングピンは機械的な強度に優れ、中空なので軽量ですみます。ばね作用を利用して固定します。例えば、テーパピンなどはドリル加工の後にリーマ加工でなめらかに仕上げる必要があるのに対して、スプリングピンではそれが不要です。また、あまり強度を必要としないガイドピンとしても利用できます。

画像

•形式‥‥‥‥‥‥端部の面取りを指定します。面取りの形状は任意とします。W:両面取り形V:片面取り形

スプリングピンは上のように表します。しかし、ねじなどと同じように、各企業で規格化している場合が多いので、実際にはそちらの規格を利用することになるでしょう。

割りピン

割りピンは、ナットの緩み止めなどによく使われます。JIS B 1351に規定されています。

画像

• 指定事項‥‥‥‥‥割りピンの先端の形状には「とがり先」と「平先」があります。そのいずれかを特に必要とする場合に指定します。

割りピンの先端の形状には「とがり先」と「平先」があります。そのいずれかを特に必要とする場合に指定します。割りピンは、ナットの緩み止めのほかにも、いろいろな用途に使用できます。

コメント