直交行列 例題集

$Q1$.
次の行列が直交行列となるような $a$ と $b$ の値を全て求めなさい。

$\dfrac{1}{\sqrt{53}}(7a2b)$
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$a=2$ かつ $b=7$
$a=-2$ かつ $b=-7$

$A = \dfrac{1}{\sqrt{53}}(7a2b)$ とすると

${}^t\!A = A^{-1}$

より $A{}^t\!A =E$ が成り立てばよいので

$\dfrac{1}{53}(7a2b) (72ab) = (1001)$

左辺を計算すると

$\dfrac{1}{53}(7a2b) (72ab) = \dfrac{1}{53}(a2+49ab14ab14b2+4)$

となるので, ここから

$\left\{ a2+49=53ab14=0b2+4=53 \right.$

であることがわかります。$a^2 = 4$ より $a =\pm 2$ であり,

$a = 2$ の時 $b = \dfrac{14}{a} = 7$, $a=-2$ の時 $b=-7$ となり, これはどちらも $b^2 + 4 = 53$ を満たします。

よって $A$ が直交行列となる時, $a=2$ かつ $b=7$, または $a=-2$ かつ $b=-7$ となります。

$Q2$.
$2$ つのベクトル $\overrightarrow{a} = (a_1,a_2)$, $\overrightarrow{b}=(b_1,b_2)$ に対し, 行列 $A = (a1b1a2b2)$ が直交行列となるための必要十分条件は次が成り立つことであることを証明しなさい。

$|\overrightarrow{a}| = |\overrightarrow{b}| =1$ かつ $\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}=0$
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$A$ が直交行列である時 ${}^t\!AA=E$ であるから

$(a1a2b1b2) (a1b1a2b2) = (a21+a22a1b1+a2b2a1b1+a2b2b21+b22) = (1001)$

よって

$|a|=a21+a22=1|b|=b21+b22=1ab=a1b1+a2b2=0$

逆に

$|\overrightarrow{a}| = |\overrightarrow{b}| =1$ かつ $\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}=0$

が成り立っていれば ${}^t\!AA=E$ であるので, $A$ は直交行列である。

$Q3$.
次の行列 $A$ が直交行列になるように $y$, $z$ の値を定めなさい。

$A = \dfrac{1}{6} (424y422z4)$
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$y = -4$
$z = 4$

${}^t\!AA =E$ であればよいので ${}^t\!AA$ を計算すると

$tAA=136(4y224z424)(424y422z4)=136(y2+204y2z82y+84y2z8z2+204z162y+84z1636)$

これが単位行列となればよいので $y = -4$, $z = 4$ とすれば

${}^t\!AA = E$

となることがわかります。