$Q1$.
$2$ つのベクトル $\overrightarrow{a}$, $\overrightarrow{b}$ と線形変換 $f$ が次を満たす時, $-3\overrightarrow{a} -2\overrightarrow{b}$ の $f$ による像を求めなさい。
$Q2$.
次の行列で表される線形変換について, 直線 $y=2x+3$ の像を求めなさい。
直線 $y=2x+3$ 上の点の座標は $(x,2x+3)$ という形をしているので, この点の $A$ による像 $(x',y')$ を計算すると
$(x′y′)=(12−43)(x2x+3)=(5x+62x+9)$
よって
$\left\{ x′=5x+6y′=2x+9 \right.$
となることがわかります。$2$ つの式から $x$ を消去すると
$2x' -5y' = 12 - 45 = -33$
より $2x' -5y' + 33=0$ となり, これが像の方程式になります。
$Q3$.
次の行列で表される線形変換について, 直線 $y=10x+5$ の像が自分自身である時, $a$ と $b$ の値を求めなさい。
直線 $y=10x+5$ の像を計算すると
$(11ab)(x10x+5) = (11x+5(a+10b)x+5b)$
この点が再び直線 $y=10x+5$ 上にあるので, $x$ と $y$ に代入すると
$(a+10b)x+5b = 10(11x+5)+5$
左辺にまとめて整理すると
$(a+10b -110)x +(5b -55)=0$
これが全ての $x$ について成り立つので
$a+10b−110=0 ⋯(1)5b−55=0 ⋯(2)$
$(2)$ より $b=11$ であり, これを $(1)$ に代入すると $a=0$ となります。
$Q4$.
$2$ 次正方行列 $A$ に対し, $f(\overrightarrow{x}) =A\overrightarrow{x}$ で定義される線形変換 $f$ は次の性質を持つことを確認しなさい。
行列の計算において,
$A(B+C) = AB+AC$
と
$A(kB) = k(AB)~~~$ ($k$ は実数)
が成り立つことに注意すると
$f(k→x+l→y)=A(k→x+l→y)=A(k→x)+A(l→y)=k(A→x)+l(A→y)=kf(→x)+lf(→y)$
よって $f$ は上の性質を持つことがわかる。
$Q5$.
平面上の変換 $f$ が次の性質を持つ時, ある $2$ 次正方行列 $A$ を用いて, $f(\overrightarrow{x}) =A\overrightarrow{x}$ と表せることを証明しなさい。
$2$ つのベクトル $\overrightarrow{e_1} = (10)$ と $\overrightarrow{e_2} = (01)$ の $f$ による像を
$f(\overrightarrow{e_1}) = (ac),~~~f(\overrightarrow{e_2}) = (bd)$
とする。 任意のベクトル $\overrightarrow{x} = (xy)$ に対し
$\overrightarrow{x} = (xy) = x(10) + y(01) = x\overrightarrow{e_1} + y\overrightarrow{e_2}$
であるから, $f$ の性質を使うと
$f(→x)=f(x→e1+y→e2)=xf(→e1)+yf(→e2)=x(ac)+y(bd)=(ax+bycx+dy)=(abcd)(xy)$
よって $A = (abcd)$ と定めれば, 任意の $\overrightarrow{x}$ に対し
$f(\overrightarrow{x}) = (abcd) \overrightarrow{x} = A\overrightarrow{x}$
が成り立つ。
線形変換 $f$ は 実数 $k,l$ とベクトル $\overrightarrow{a}$, $\overrightarrow{b}$ に対し, 次の性質を持ちます。
$f(k\overrightarrow{a} + l \overrightarrow{b}) = kf(\overrightarrow{a}) + lf(\overrightarrow{b})$
この性質は一般に 線形性 と呼ばれます。
線形変換の性質を利用すると
$f(−3→a−2→b)=−3f(→a)−2f(→b)=−3(−12)−2(1−4)=(3−2−6+8)=(12)$