2. 分数関数 例題集

$Q1$.
次の関数のグラフの漸近線を求めなさい。

(1) $y = \dfrac{2}{x-1} + 1$
(2) $y = \dfrac{2x+3}{x+1}$
(3) $y = \dfrac{3}{2-x} -4$
(4) $y = \dfrac{3}{2x -5} +3$
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(1) $x=1$ と $y=1$
(2) $x=-1$ と $y=2$
(3) $x=2$ と $y=-4$
(4) $x=\dfrac{5}{2}$ と $y=3$

$y = \dfrac{a}{x-p} + q~~(a\not=0)$ のグラフは $x=p$ と $y=q$ を漸近線に持ちます。

(1)

$y = \dfrac{2}{x-1}+1$

より, この関数のグラフは $x=1$ と $y=1$ を漸近線に持ちます。

(2)

$y = \dfrac{1 + 2(x+1)}{x+1} = \dfrac{1}{x+1} + 2$

より, この関数のグラフは $x=-1$ と $y=2$ を漸近線に持ちます。

(3)

$y = \dfrac{3}{2-x} -4 = \dfrac{-3}{x-2} -4$

より, この関数のグラフは $x=2$ と $y=-4$ を漸近線に持ちます。

(4)
分数式の分子と分母を $2$ で割ると

$y = \dfrac{3}{2x-5} + 3 = \dfrac{ \dfrac{3}{2} }{x - \dfrac{5}{2}} + 3$

より, この関数のグラフは $x = \dfrac{5}{2}$ と $y=3$ を漸近線に持ちます。

$Q2$.
分数関数 $y = \dfrac{a}{x +b}+c$ が次の条件を満たすとき, $a$, $b$, $c$ の値を求めなさい。

(1) 関数 $y = \dfrac{1}{x}$ のグラフを $x$ 軸方向に $-2$, $y$ 軸方向に $-4$ だけ平行移動した曲線をグラフに持つ。
(2) グラフが点 $(2,5)$ を通り, $x=1$ と $y=3$ を漸近線に持つ。
(3) グラフが $2$ 点 $(3,4)$, $(-2,-1)$ を通り, $x=-1$ を漸近線に持つ。
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(1) $a = 1$, $b=2$, $c=-4$
(2) $a = 2$, $b=-1$, $c=3$
(3) $a = 4$, $b=1$, $c=3$

(1)
関数 $y= \dfrac{1}{x}$ のグラフを $x$ 軸方向に $-2$, $y$ 軸方向に $-4$ だけ平行移動した曲線は, 関数

$y = \dfrac{1}{x-(-2)} -4 =\dfrac{1}{x+2} -4$

のグラフになります。よって $a=1$, $b=2$, $c=-4$ となります。

(2)
グラフが $x=1$ と $y=3$ を漸近線に持つので, 求める関数は

$y = \dfrac{a}{x-1} + 3$

と置くことができます。グラフが点 $(2,5)$ を通るので

$5 = \dfrac{a}{2-1} + 3= a + 3$

よって $a=2$, $b=-1$, $c=3$ となります。

(3)
$x=-1$ を漸近線に持つので, 求める関数は

$y = \dfrac{a}{x+1} +c$

と置くことができます。グラフが点 $(3,4)$ を通るので

$4 = \dfrac{a}{3+1} + c$

より両辺に $4$ をかければ

$a + 4c = 16$

同様に点 $(-2,-1)$ を通るので

$-1 = \dfrac{a}{-2+1} + c$

より $-a + c = -1$ が成り立ちます。すなわち

$\begin{cases}a+4c=16\\ -a +c=-1\end{cases}$

より, この連立方程式を解くと $a=4$, $c=3$ となります。

よって $a=4$, $b=1$, $c=3$ となります。

$Q3$.
次の関数の定義域と値域を求めなさい。

(1) $y = \dfrac{2}{x-1} + 3$
(2) $y = -\dfrac{1}{3+x} -5$
(3) $y = \dfrac{2x+1}{3x-5}$
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(1) 定義域 $x\not=1$, 値域 $y\not=3$
(2) 定義域 $x\not=-3$, 値域 $y\not=-5$
(3) 定義域 $x\not=\dfrac{5}{3}$, 値域 $y\not=\dfrac{2}{3}$

関数 $y = \dfrac{a}{x-p} + q~~(a\not=0)$ の定義域は $x\not= p$, 値域は $y\not=q$ となります。

(1)
$y = \dfrac{2}{x-1} + 3$ のグラフは $y= \dfrac{2}{x}$ のグラフを $x$ 軸方向に $1$, $y$ 軸方向に $3$ だけ平行移動した曲線になります。

よって $y = \dfrac{2}{x-1} + 3$ の定義域は $x\not=1$, 値域は $y \not=3$ となります。

(2)

$y = \dfrac{-1}{x+3} -5$

であるので, この関数の定義域は $x\not=-3$, 値域は $y = -5$ となります。

(3)
右辺を $\dfrac{a}{x-p} + q$ の形に変形すると

$\begin{eqnarray*} \dfrac{2x+1}{3x-5} & = & \dfrac{ \left( \dfrac{2}{3}\left(3x-5 \right) + \dfrac{10}{3}\right) + 1 }{3x-5}\\[1em] & = & \dfrac{ \dfrac{13}{3} }{3x-5} + \dfrac{2}{3}\\[1em] & = & \dfrac{ \dfrac{13}{9} }{x - \dfrac{5}{3} } + \dfrac{2}{3}\end{eqnarray*}$

よって $y= \dfrac{2x+1}{3x-5}$ の定義域は $x\not=\dfrac{5}{3}$, 値域は $y \not= \dfrac{2}{3}$ となります。