剰余の定理 例題集

$Q1$.
整式 $A$ を $B$ で割ったときの商と余りを求めなさい。

(1) $\begin{eqnarray*}A & = & 15x^3 + 21x^2 + 20x +10\\ B & = & 3x^2 +3x+2 \end{eqnarray*}$
(2) $\begin{eqnarray*} A & = & -21x^4 + 5x^3 + 18x^2 + 10x + 4\\ B & = & 3x^2 - 2x - 3 \end{eqnarray*}$
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(1) 商 : $5x+2$, 余り : $4x+6$
(2) 商 : $-7x^2-3x-3$, 余り : $-5x-5$

整数の割り算と同じ要領で計算を行いましょう。

(1)

(2)

$Q2$.
$P(x) = 12x^3 - 4x^2 + 5x - 7$ のとき, 次の値を計算しなさい。

(1) $P(0)$
(2) $P(2)$
(3) $P(-3)$
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(1) $-7$
(2) $83$
(3) $-382$

$x$ にそれぞれ値を代入して計算します。

(1)

$\begin{eqnarray*} P(0) & = & 12 \times 0^3 -4\times 0^2 +5\times 0 -7\\[0.5em] & = & -7 \end{eqnarray*}$

(2)

$\begin{eqnarray*} P(2) & = & 12 \times 2^3 -4\times 2^2 +5\times 2 -7\\[0.5em] & = & 96 - 16 +10 -7 = 83 \end{eqnarray*}$

(3)

$\begin{eqnarray*} P(-3) & = & 12 \times (-3)^3 -4\times (-3)^2 +5\times (-3) -7\\[0.5em] & = & -324 - 36 - 15 -7 = -382 \end{eqnarray*}$

$Q3$.
整式 $A(x)$ を $B(x)$ で割ったときの余りを求めなさい。

(1) $\begin{eqnarray*}A(x) & = & x^3 - 5x^2 + 11x -4\\ B(x) & = & x-3 \end{eqnarray*}$
(2) $\begin{eqnarray*} A(x) & = & x^4 + 5x^3 - 8x^2 + 1\\ B(x) & = & x+2 \end{eqnarray*}$
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(1) $11$
(2) $-55$

剰余の定理を利用しましょう。

(1)
剰余の定理より $A(x)$ を $x-3$ で割った余りは $A(3)$ となります。よって

$\begin{eqnarray*} A(3) & = & 3^3 -5\times 3^2 +11\times 3 -4\\[0.5em] & = & 27 -45 +33 -4 = 11 \end{eqnarray*}$

(2)
剰余の定理より $A(x)$ を $x+2$ で割った余りは $A(-2)$ となります。よって

$\begin{eqnarray*} A(-2) & = & (-2)^4 + 5\times (-2)^3 - 8\times (-2)^2 +1 \\[0.5em] & = & 16 - 40 - 32 + 1 = -55 \end{eqnarray*}$

$Q4$.
$4x^3 +3x^2 +5x+k$ が $x-1$ で割り切れるように $k$ の値を定めなさい。

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$k = -12$

$P(x) = 4x^3 +3x^2 +5x+k$

とすると, 因数定理より $P(1) = 0$ となるように $k$ の値を定めればよいことになります。

$P(1) = 4+3+5+k =0$

となるので, $k$ について整理すると $k=-12$ となります。

$Q5$.
整式 $P(x)$ を $x+2$ で割った余りが $6$ , $x+4$ で割った余りが $10$ であった。 この時, $P(x)$ を $x^2+6x+8$ で割ったときの余りを求めなさい。

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$-2x+2$

$P(x)$ を $2$ 次式 $x^2+6x+8$ で割った時の商を $Q(x)$, 余りを $R(x)$ とすると, $R(x)$ は高々 $1$ 次式になります。よって

$P(x) = Q(x)(x^2+6x+8) +ax+b$

と表せることがわかります。剰余の定理より

$P(-2) = 6,~~ P(-4) =10$

となるので, $x^2+6x+8 = (x+2)(x+4)$ に注意すると

$\begin{cases}-2a+b = 6\\ -4a+b = 10\end{cases}$

これを解くと $a = -2,~b=2$ であることがわかります。