9. 線形でない2階微分方程式 例題集

$Q1$.
次の微分方程式の一般解を求めなさい。

$\dfrac{d^2x}{dt^2} - \left(\dfrac{dx}{dt}\right)^2 = 1$
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$x = -\log | \cos (t+C_1)| + C_2~~$ ($C_1$, $C_2$ は任意定数)

$y = \dfrac{dx}{dt}$ とすると $\dfrac{d^2x}{dt^2} = \dfrac{dy}{dt}$ であるから

$\dfrac{dy}{dt} - y^2 = 1$

整理すると

$\dfrac{1}{y^2+1} \dfrac{dy}{dt} = 1$

両辺を $t$ で積分すると

$\tan^{-1} y = t + C$

よって $y = \tan (t+C)$

$y = \dfrac{dx}{dt}$ を代入すると

$\dfrac{dx}{dt} = \tan(t+C)$

$t$ で積分すれば一般解は

$x = -\log | \cos (t+C_1)| + C_2~~$ ($C_1$, $C_2$ は任意定数)

となります。

$Q2$.
次の微分方程式の一般解を求めなさい。

$x\dfrac{d^2x}{dt^2} - \left(\dfrac{dx}{dt}\right)^2 = 0$
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$x= C_1e^{C_2t}~~$ ($C_1$, $C_2$ は任意定数)

$x=0$ は解であるので, $x\not=0$ とします。

$y = \log |x|$ と置くと

$\dfrac{dy}{dt} = \dfrac{1}{x}\dfrac{dx}{dt}$

よって $\dfrac{dx}{dt} = x\dfrac{dy}{dt}$ が成り立ちます。さらに両辺を $t$ で微分すると

$\dfrac{d^2x}{dt^2} = \dfrac{dx}{dt}\dfrac{dy}{dt} + x\dfrac{d^2y}{dt^2} = x\left( \dfrac{dy}{dt} \right)^2 + x\dfrac{d^2y}{dt^2}$

これらを元の微分方程式に代入すると

$x^2\left( \dfrac{dy}{dt} \right)^2 + x^2\dfrac{d^2y}{dt^2} - x^2 \left( \dfrac{dy}{dt}\right)^2=0$

よって $x^2\dfrac{d^2y}{dt^2} = 0$ となります。

$x\not=0$ を仮定しているので

$\dfrac{d^2y}{dt^2} = 0$

$t$ で $2$ 回積分すれば

$y = C_1 + C_2t$

$y = \log |x|$ より $x = \pm e^y$ であるから

$x = \pm e^{C_1}e^{C_2t}$

$x=0$ も解であったから, この微分方程式の一般解は

$x= C_1e^{C_2t}~~$ ($C_1$, $C_2$ は任意定数)

となります。

※別解

$x\not=0$ として $y = \dfrac{1}{x}\dfrac{dx}{dt} $ を考えると

$\dfrac{dy}{dt} = \dfrac{ x\dfrac{d^2x}{dt^2} - \left( \dfrac{dx}{dt}\right)^2 }{x^2} = 0$

よって $y = C$ となります。すなわち

$\dfrac{1}{x}\dfrac{dx}{dt} = C$

変数分離形なので, 両辺を $t$ で積分すると

$\log |x| = C_2t + C_1$

$x = \pm C_1e^{C_2t}$ であり, $x=0$ は微分方程式の解であるから, 一般解は

$x = C_1e^{C_2t}~~$ ($C_1$, $C_2$ は任意定数)

となります。