$Q1$.
次の微分方程式の一般解を求めなさい。
$Q2$.
次の微分方程式の一般解を求めなさい。
オイラーの微分方程式なので, 特性方程式
$\lambda^2 + \lambda - 2 = 0$
とすると
$\lambda^2 + \lambda - 2 = (\lambda+2)(\lambda -1)=0$
$\lambda = -2,1$ より, この微分方程式の一般解は
$x = C_1t^{-2} + C_2t~~$ ($C_1$, $C_2$ は任意定数)
となります。
※別解
解が $x = t^k$ であると仮定して, 微分方程式に代入すると
$\left( k(k-1) + 2k -2\right)t^k = 0$
$t^k \not=0$ より
$k(k-1) + 2k-2=0$
であればよいことになります。整理すると
$k^2 +k-2 = (k+2)(k-1) =0$
$k=-2,1$ より $x = t^{-2}$, $x=t$ はこの微分方程式の解になります。
また, これらは線形独立であるので, 一般解は
$x = C_1t^{-2} + C_2t~~$ ($C_1$, $C_2$ は任意定数)
となります。
※別解 $2$
$t \gt 0$ と仮定して
$t = e^s$
と置くと
$\dfrac{dx}{ds} = \dfrac{dx}{dt}\dfrac{dt}{ds} = e^s\dfrac{dx}{dt}$
より $\dfrac{dx}{dt}= e^{-s}\dfrac{dx}{ds}$ となります。また
$\dfrac{d^2x}{ds^2} = e^s\dfrac{dx}{dt} + e^s \dfrac{d^2x}{dt^2}\dfrac{dt}{ds} = \dfrac{dx}{ds} + e^{2s}\dfrac{d^2x}{dt^2}$
より $\dfrac{d^2x}{dt^2} = e^{-2s}\left( \dfrac{d^2x}{ds^2} - \dfrac{dx}{ds}\right)$ となります。
これらを微分方程式に代入すると $t = e^s$ であるから
$\left( \dfrac{d^2x}{ds^2} - \dfrac{dx}{ds}\right) + 2\dfrac{dx}{ds} -2x=0$
整理すると $\dfrac{d^2x}{ds^2} + \dfrac{dx}{ds} -2x = 0$ となります。
これは定数係数斉次微分方程式なので, その一般解は $x= C_1e^{-2s} + C_2e^s$ となります。
$t=e^s$ を代入すれば, 一般解
$x = C_1t^{-2} +C_2t$
を得ることができます。
$t \lt 0$ の時は $t = -e^s$ とすれば同様にして一般解を求めることができます。
$Q3$.
次の微分方程式の一般解を求めなさい。
オイラーの微分方程式なので, 特性方程式
$\lambda^2 - 4\lambda + 4 = 0$
とすると
$\lambda^2 - 4\lambda + 4 =(\lambda -2)^2=0$
$\lambda = 2$ (重解) より, この微分方程式の一般解は
$x = \left( C_1 + C_2\log|t| \right)t^2~~$ ($C_1$, $C_2$ は任意定数)
となります。
※別解
解が $x = t^k$ であると仮定して, 微分方程式に代入すると
$\left( k(k-1) - 3k +4\right)t^k = (k-2)^2t^k=0$
$t^k \not=0$ より $k=2$ となるので, $x = t^2$ が解であることがわかります。
解が $1$ つしか得られなかったので, 定数変化法でもう $1$ つの解を見つけてみましょう。
$u$ を $t$ の関数とし, $x = ut^2$ として微分方程式に代入すると
$t^2\left( t^2\dfrac{d^2u}{dt^2} + 4t\dfrac{du}{dt} + 2u \right) - 3t\left( t^2\dfrac{du}{dt} + 2ut\right) + 4ut^2=0$
整理すると
$t^4\dfrac{d^2u}{dt^2} + t^3\dfrac{du}{dt} = t^3 \left( t\dfrac{d^2u}{dt^2} + \dfrac{du}{dt} \right) = 0$
$t^3\not=0$ かつ
$t\dfrac{d^2u}{dt^2} + \dfrac{du}{dt} = \left( t\dfrac{du}{dt}\right)'$
であるから
$\left( t\dfrac{du}{dt}\right)' = 0$
両辺を $t$ で積分すると
$t\dfrac{du}{dt} = C$
$\dfrac{du}{dt} = \dfrac{C}{t}$ よりもう一度 $t$ で両辺を積分すると
$u = C\log|t| + C'$
$x= ut^2$ に代入すれば, 一般解は
$x = \left( C_1 + C_2\log|t| \right)t^2~~$ ($C_1$, $C_2$ は任意定数)
となります。
$x' = 3x + y+t$ の両辺を $t$ で微分すると
$x'' = 3x' + y' + 1$
ここで $y' = -2x$ であるから, 代入して整理すると
$x'' - 3x' +2x = 1$
定数係数 $2$ 階線形微分方程式であるから, 特性方程式を考えると
$\lambda^2 -3\lambda + 2 = (\lambda-1)(\lambda -2)=0$
$\lambda=1,2$ より斉次方程式の一般解は $x = C_1e^t +C_2e^{2t}$ となります。
また, 非斉次方程式の右辺が定数であるから, 特殊解を
$x = A$
と仮定して非斉次方程式に代入すると
$2A=1$
よって $x = \dfrac{1}{2}$ が特殊解であることがわかります。
以上から, $x$ は
$x = C_1e^t +C_2e^{2t} + \dfrac{1}{2}$
また $y = x' - 3x-t$ に代入すると
$\begin{eqnarray*}y & = & \left(C_1e^t+2C_2e^{2t}\right) -3\left(C_1e^t +C_2e^{2t} + \dfrac{1}{2} \right) -t\\[1em] & = & -2C_1e^t - C_2e^{2t} -t -\dfrac{3}{2}\end{eqnarray*}$
よって $y$ は
$y = -2C_1e^t - C_2e^{2t} -t -\dfrac{3}{2}$
となります。以上から, この微分方程式の一般解は
$W(e^t,e^{-t}) = \left| \begin{array}{cc}e^t & e^{-t} \\ e^t & -e^{-t} \end{array} \right| = -1 -1 = -2\not=0$
$W(e^t,e^{-t}) \not=0$ より $x_1=e^t$ と $x_2=e^{-t}$ は線形独立であることがわかります。
$2$ 階線形微分方程式の一般解は, $2$ つの線形独立な解 $x_1$, $x_2$ を用いて
$x = C_1x_1 + C_2x_2$
と表せるので, この微分方程式の一般解は
$\begin{cases} x = C_1e^t +C_2e^{2t} + \dfrac{1}{2} \\ y = -2C_1e^t - C_2e^{2t} -t -\dfrac{3}{2} \end{cases}~~$ ($C_1$, $C_2$ は任意定数)
となります。