4. 1階線形微分方程式 例題集

$Q1$.
次の微分方程式の一般解を求めなさい。

$\dfrac{dx}{dt} + tx= 2t$
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$x = 2 + Ce^{-\frac{1}{2}t^2}~~$ ($C$ は任意定数)

定数変化法で解いていきましょう。

まず最初に $\dfrac{dx}{dt} + tx=0$ を解いていきます。

$\dfrac{1}{x}\dfrac{dx}{dt} = -t$ であるから, 両辺を $t$ で積分すると

$\displaystyle \int \dfrac{1}{x}~dx = -\int t ~dt$

$\log |x| = -\dfrac{1}{2}t^2 + C$ であり, $x=0$ も解であることから

$x = Ce^{-\frac{1}{2}t^2}$

となります。

ここで $C$ を $t$ の関数 $u(t)$ に置き換えると, $x = u(t)e^{-\frac{1}{2}t^2}$ となり

$\dfrac{dx}{dt} = \dfrac{du}{dt}e^{-\frac{1}{2}t^2} - tue^{-\frac{1}{2}t^2}$

が成り立ちます。もとの微分方程式に代入すると

$\displaystyle \left( \dfrac{du}{dt}e^{-\frac{1}{2}t^2} - tue^{-\frac{1}{2}t^2} \right) + tue^{-\frac{1}{2}t^2} = 2t$

整理すると

$\dfrac{du}{dt} = 2te^{\frac{1}{2}t^2}$

両辺を $t$ で積分すると

$u = 2e^{\frac{1}{2}t^2} + C$

$x = u(t)e^{-\frac{1}{2}t^2}$ であったから, この微分方程式の一般解は

$x = 2 + Ce^{-\frac{1}{2}t^2}~~$ ($C$ は任意定数)

となります。

$Q2$.
次の微分方程式の一般解を求めなさい。

$\dfrac{dx}{dt} + \dfrac{x}{t} = t$
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$x = \dfrac{1}{3}t^2 + \dfrac{C}{t}~~$ ($C$ は任意定数)

定数変化法で解いていきます。

$\dfrac{dx}{dt} + \dfrac{x}{t} = 0$ とすると $\dfrac{1}{x}\dfrac{dx}{dt} = -\dfrac{1}{t}$ であるから

$\displaystyle \int \dfrac{1}{x}~dx = -\int \dfrac{1}{t} ~dt$

$\log |x| = -\log|t| + C$ より $xt = e^C$ であるから

$x = \dfrac{C}{t}$

となります。

ここで $C$ を $t$ の関数 $u(t)$ に置き換えると, $x = \dfrac{u}{t}$ となり

$\dfrac{dx}{dt} = \dfrac{1}{t}\dfrac{du}{dt} - \dfrac{u}{t^2}$

もとの微分方程式に代入すると

$\displaystyle \left( \dfrac{1}{t}\dfrac{du}{dt} - \dfrac{u}{t^2} \right) + \dfrac{u}{t^2} = t$

整理すると

$\dfrac{du}{dt} = t^2$

両辺を $t$ で積分すると

$u = \dfrac{1}{3}t^3 + C$

$x = \dfrac{u}{t}$ に代入すれば, この微分方程式の一般解は

$x = \dfrac{1}{3}t^2 + \dfrac{C}{t}~~$ ($C$ は任意定数)

となります。

$Q3$.
次の微分方程式の一般解を求めなさい。

$\dfrac{dx}{dt} + 2t^2x = t^2$
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$x = \dfrac{1}{2} + Ce^{-\frac{2}{3}t^3}~~$ ($C$ は任意定数)

定数変化法を用いず, 直接求めてみましょう。

$\displaystyle \int 2t^2~dt = \dfrac{2}{3}t^3$

に注目して, 微分方程式の両辺に $e^{\frac{2}{3}t^3}$ を掛けると

$\displaystyle \dfrac{dx}{dt}e^{\frac{2}{3}t^3} + 2t^2xe^{\frac{2}{3}t^3} = t^2e^{\frac{2}{3}t^3}$

すると, 左辺は

$\displaystyle \dfrac{dx}{dt}e^{\frac{2}{3}t^3} + 2t^2xe^{\frac{2}{3}t^3} = \left( xe^{\frac{2}{3}t^3}\right)'$

よって

$\left( xe^{\frac{2}{3}t^3}\right)' = t^2e^{\frac{2}{3}t^3}$

となるので, 両辺を $t$ で積分すると

$xe^{\frac{2}{3}t^3} = \dfrac{1}{2}e^{\frac{2}{3}t^3} + C$

両辺を $e^{\frac{2}{3}t^3}$ で割れば, この微分方程式の一般解は

$x = \dfrac{1}{2} + Ce^{-\frac{2}{3}t^3}~~$ ($C$ は任意定数)

となります。

$Q4$.
次の微分方程式の一般解を求めなさい。

$\dfrac{dx}{dt} + 2x = 2t$
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$x = t - \dfrac{1}{2} + Ce^{-2t}~~$ ($C$ は任意定数)

微分方程式の両辺に $e^{2t}$ をかけると

$\displaystyle \dfrac{dx}{dt}e^{2t} + 2xe^{2t} = 2te^{2t}$

すると左辺は

$\displaystyle \dfrac{dx}{dt}e^{2t} + 2xe^{2t} = \left( xe^{2t}\right)'$

となるので

$\displaystyle \left( xe^{2t}\right)' = 2te^{2t}$

両辺を $t$ で積分すると, 右辺は部分積分を用いて

$\begin{eqnarray*} xe^{2t} & = & \int 2te^{2t}~dt\\[1em] & = & te^{2t} - \int e^{2t}~dt\\[1em] & = & te^{2t} - \dfrac{1}{2}e^{2t} + C \end{eqnarray*}$

両辺を $e^{2t}$ で割れば, この微分方程式の一般解は

$x = t - \dfrac{1}{2} + Ce^{-2t}~~$ ($C$ は任意定数)

となります。