$Q1$.
$x^2+y^2=2$ という条件の下で, 関数 $f(x,y)=x+y-5$ の極値を取りうる点を求めなさい。
$Q2$.
$(~)$ 内の曲線を定義域とする次の関数の最大値と最小値を求めなさい。
定義域は原点を中心とする半径 $\sqrt{2}$ の円なので
$x = \sqrt{2}\cos \theta,~~y = \sqrt{2}\sin \theta$
とすると
$f(x,y) = x+y-5 =\sqrt{2}(\cos \theta + \sin \theta) -5$
三角関数の合成を用いると
$\cos \theta + \sin \theta = \sqrt{2}\sin\left( \theta + \dfrac{\pi}{4}\right)$
となるので
$f(x,y) = x + y-5 = 2\sin \left( \theta + \dfrac{\pi}{4} \right)- 5$
ここで $ -1 \leqq \sin \left( \theta + \dfrac{\pi}{4} \right) \leqq 1$ であることから
$-7 \leqq f(x,y) \leqq -3$
であることがわかります。
$\sin \left( \theta + \dfrac{\pi}{4} \right) = 1$ の時 $f(x,y)$ は最大値 $-3$ を取り, この時
$\theta + \dfrac{\pi}{4} = \dfrac{\pi}{2}$
より $\theta = \dfrac{\pi}{4}$ であるから
$x = \sqrt{2}\cos \dfrac{\pi}{4} = 1$
$y = \sqrt{2}\sin \dfrac{\pi}{4} = 1$
よって $f(x,y)$ は点 $(1,1)$ で最大値 $-3$ を取ります。
同様に $\sin \left( \theta + \dfrac{\pi}{4} \right) = -1$ の時 $f(x,y)$ は最小値 $-7$ を取り, この時
$\theta + \dfrac{\pi}{4} = \dfrac{3}{2}\pi$
より $\theta = \dfrac{5}{4}\pi$ であるから
$x = \sqrt{2}\cos \dfrac{5}{4}\pi = -1$
$y = \sqrt{2}\cos \dfrac{5}{4}\pi = -1$
よって $f(x,y)$ は点 $(-1,-1)$ で最小値 $-7$ を取ります。
※注意
$Q1$ で調べたように $2$ 点 $(1,1)$, $(-1,-1)$ で極値を取っていることがわかります。
$Q3$.
$\sqrt{x}+\sqrt{y}=1$ という条件の下で, 関数 $f(x,y)=x+2y$ の極値を取りうる点を求めなさい。
$g(x,y) = \sqrt{x} + \sqrt{y} - 1$ とすると
$g_x(x,y) = \dfrac{1}{2\sqrt{x}},~~g_y(x,y)=\dfrac{1}{2\sqrt{y}}$
また $f_x(x,y) = 1$, $f_y(x,y)=2$ より $\dfrac{f_x}{g_x} = \dfrac{f_y}{g_y}$ とすると
$\dfrac{1}{\dfrac{1}{2\sqrt{x}}} = \dfrac{2}{\dfrac{1}{2\sqrt{y}}}$
両辺を $2$ 乗して整理すれば $x=4y$ となります。$\sqrt{x} + \sqrt{y}=1$ に代入すると
$2\sqrt{y} + \sqrt{y} = 3\sqrt{y} = 1$
よって $y = \dfrac{1}{9},~x = \dfrac{4}{9}$ となるので, $\left(\dfrac{4}{9},~\dfrac{1}{9}\right)$ が極値を取りうる点となります。
$Q4$.
$(~)$ 内の曲線を定義域とする次の関数の最大値と最小値を求めなさい。
$\sqrt{y} = 1 - \sqrt{x}$ より
$y = (1- \sqrt{x})^2$
これを $f(x,y)$ に代入した関数を $g(x)$ とすると
$g(x) = f(x,(1- \sqrt{x})^2) = x + 2(1-\sqrt{x})^2 = 3x - 4\sqrt{x} + 2$
$g'(x) = 0$ とすると
$g'(x) = 3 - \dfrac{2}{\sqrt{x}} = 0$
$\sqrt{x} = \dfrac{2}{3}$ より $x = \dfrac{4}{9}$ であり, この時
$g\left( \dfrac{4}{9}\right) = \dfrac{4}{3} - \dfrac{8}{3} + 2 = \dfrac{2}{3}$
また $g''(x) = \dfrac{1}{\sqrt{x^3}}$ より
$g''\left( \dfrac{4}{9}\right) = \dfrac{27}{8} \gt 0$
よって $g(x)$ は $x = \dfrac{4}{9}$ で極小値 $\dfrac{2}{3}$ を取ることがわかります。
また
$\sqrt{y} = 1- \sqrt{x} \geqq 0$ かつ $\sqrt{x} \geqq 0$
より, $0 \leqq x \leqq 1$ に注意すると
$g(0) = 2,~~g(1) = 1$
よって関数 $g(x)$ は $x=0$ の時に最大値 $2$, $x = \dfrac{4}{9}$ の時に最小値 $\dfrac{2}{3}$ を取ることがわかります。
$x=0$ の時 $y=1$ であり, $x= \dfrac{4}{9}$ の時 $y = \dfrac{1}{9}$ なので, 以上から
関数 $f(x,y)$ は $(x,y) = (0,1)$ の時に最大値 $2$, $\left( \dfrac{4}{9},~\dfrac{1}{9}\right)$ の時に最小値 $\dfrac{2}{3}$ を取ります。
※注意
$Q3$ で調べたように $\left( \dfrac{4}{9},~\dfrac{1}{9}\right)$ で極値を取っていることがわかります。
$(x,y)=(0,1)$ は曲線 $\sqrt{x} + \sqrt{y}=1$ の端点であり, またこの時 $g_x(x,y) = \dfrac{1}{2\sqrt{x}}$ は定義されていないことに注意しましょう。
関数 $f(x,y)$ と $g(x,y)$ が連続な偏導関数を持ち, $g_x(a,b)\not=0$ かつ $g_y(a,b)\not=0$ であるとします。
この時, $g(x,y)=0$ という条件の下で関数 $z=f(x,y)$ が点 $(a,b)$ で極値を持つならば
$\dfrac{f_x(a,b)}{g_x(a,b)} = \dfrac{f_y(a,b)}{g_y(a,b)}$
が成り立ちます。
この結果を利用して, $g(x,y)=0$ という条件の下での $z=f(x,y)$ の極値の取りうる点を調べることができます。
$g(x,y) = x^2 + y^2 -2$ とすると
$g_x(x,y) = 2x,~~g_y(x,y)=2y$
また $f_x(x,y) = 1$, $f_y(x,y)=1$ より $\dfrac{f_x}{g_x} = \dfrac{f_y}{g_y}$ とすると
$\dfrac{1}{2x} = \dfrac{1}{2y}$
よって $x=y$ となります。$x^2 + y^2=2$ に代入すると
$x^2 + x^2 = 2x^2 = 2$
$x = \pm 1$ より, $(1,1)$ と $(-1,-1)$ が極値を取りうる点となります。
※注意
ここで求めた点は「極値を取りうる点」なので, 実際に極値を取るかどうかは別の方法で調べる必要があります。