3. 微分積分法の基本定理 例題集

$Q1$.
関数 $f(x)$ と定数 $a~(a\gt 0)$ が次を満たす時, $f(x)$ と $a$ の値をそれぞれ求めなさい。

$\displaystyle \int_a^x f(t) ~ dt = x^2 - x -2$
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$f(x) = 2x - 1$
$a= 2$

微分積分法の基本定理

$\displaystyle \dfrac{d}{dx} \int_a^x f(t)~dt = f(x)$

より

$\displaystyle f(x) = \dfrac{d}{dx} \int_a^x f(t)~dt = (x^2 -x -2)' = 2x-1$

よって $f(x) = 2x -1$ となります。

$\displaystyle \int_a^x f(t) ~ dt = \int_a^x (2t-1)~dt = \left[ t^2 -t \right]_a^x = (x^2 -x) - (a^2 - a)$

であるから

$x^2 - x - (a^2 -a) = x^2 -x -2$

整理すると $a^2 -a - 2=0$ となります。

$a^2 -a -2 = (a+1)(a-2) = 0$

であり, $a \gt 0$ であるから $a = 2$ となります。

$Q2$.
関数 $f(x)$ と定数 $a$ が次を満たす時, $f(x)$ と $a$ の値をそれぞれ求めなさい。

$f(0) = -2$
$\displaystyle f(x) = x + \int_0^a f(t) ~ dt$
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$f(x) = x-2$
$a = 2$

$f(0) = -2$ より

$\displaystyle f(0) = 0 + \int_0^a f(t) ~dt = \int_0^a f(t)~dt = -2$

$\displaystyle \int_0^a f(t)~dt = -2$ より

$\displaystyle f(x) = x + \int_0^a f(t)~dt = x -2$

であることがわかります。また

$\displaystyle \int_0^a f(t) ~ dt = \int_0^a (t-2) ~dt = \left[ \dfrac{t^2}{2} - 2t \right]_0^a = \dfrac{a^2}{2} - 2a$

より $\dfrac{a^2}{2} - 2a = -2$ であるから, 両辺を $2$ 倍して整理すると

$a^2 - 4a + 4 = 0$

$a^2 -4a +4 = (a-2)^2 = 0$ より $a=2$ となります。

$Q3$.
関数 $f(x)$ と定数 $a$ が次を満たす時, $f(x)$ と $a$ の値をそれぞれ求めなさい。

$\displaystyle \int_1^x f(t) \ dt = x^3-2ax^2 + (a+1)x-2$
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$f(x) = 3x^2 +1$
$a = 0$

$\displaystyle F(x) = \int_1^x f(t) ~ dt = x^3 -2ax^2 + (a+1)x -2 ~~\cdots (1)$

とすると, 微分積分法の基本定理から

$\displaystyle F'(x) = \dfrac{d}{dx} \int_1^x f(t) ~ dt = f(x)$

よって $F(x)$ は $f(x)$ の原始関数であることがわかります。

$\displaystyle \int_a^b f(x)~dx = F(b) - F(a)$

であるから

$\displaystyle F(x) = \int_1^x f(t) ~dt = F(x) - F(1)$

$F(1)=0$ となるので $(1)$ より

$F(1) = 1 -2a +(a+1) - 2 = 0$

整理すると $a = 0$ であることがわかります。$(1)$ に代入すると, 微分積分法の基本定理から

$\displaystyle f(x) =\dfrac{d}{dx} \int_1^x f(t)~dt = (x^3 + x - 2)' = 3x^2 +1$

よって $f(x) = 3x^2 + 1$ となります。