$Q1$.
時刻 $t=0$ の時に原点にある点 ${\rm P}$ が数直線上を速度 $v = \sin \pi t$ で運動している。
$t=3$ における ${\rm P}$ の座標と, その時の加速度を求めなさい。
$Q2$.
地面から $1.5~[{\rm m}]$ の高さからボールを速度 $20~[{\rm m/s}]$ で真上に投げた。$2$ 秒後にボールは地面からどれくらいの高さにあるか求めなさい。
ただし, 重力加速度は $9.8~[{\rm m/s^2}]$ であるとする。
地面から上向きを正の向きとすると, 重力加速度は下を向いているので負の値になることに注意しましょう。
$v(0) = 20$ であるから $t$ 秒後の速度 $v(t)$ は
$\displaystyle v(t) = v(0) + \int_0^t (-9.8)~ds = 20 - 9.8t$
よって $t$ 秒後のボールの高さを $x(t)$ とすると $x(0) = 1.5$ より
$\displaystyle x(t) = x(0) + \int_0^t (20 - 9.8s)=ds = 1.5 + 20t -4.9t^2$
$t=2$ を代入すれば
$x(2) = 1.5 +40 - 19.6 = 21.9$
となります。
$Q3$.
ビルの屋上から速度 $19.6~[{\rm m/s}]$ で上向きにボールを投げ上げると $5$ 秒後に地面に到達した。 この時, このビルの高さを求めなさい。ただし, 重力加速度は $9.8~[{\rm m/s^2}]$ であるとする。
ビルの屋上を $x=0$ とし鉛直上向きを $x$ の正の向きとすると, $t$ 秒後の速度 $v(t)$ は
$\displaystyle v(t) = v(0) + \int_0^t (-9.8)~ds = 19.6 - 9.8t$
$t$ 秒後のボールの高さを $x(t)$ とすると, ビルの屋上を $x=0$ としているので $x(0) = 0$ となります。よって
$\displaystyle x(t) = x(0) + \int_0^t (19.6 - 9.8s)~ds = 19.6t - 4.9t^2$
$5$ 秒後に地面に到達するので, $t=5$ を代入すると
$x(5) = 98 - 122.5 = -24.5$
ビルの屋上から $-24.5~[{\rm m}]$ の場所が地面になるので, このビルの高さは $24.5~[{\rm m}]$ になります。
$Q4$.
高い建物から物体 $X$ を静かに落下させ, その $2$ 秒後に物体 $Y$ を初速度 $24.5~[{\rm m/s}]$ で投げ下ろした。
この時, 次の問いに答えなさい。ただし, 重力加速度は $9.8~[{\rm m/s^2}]$ であるとする。
(1)
物体を落とした場所を $x=0$ とし, 鉛直下向きを $x$ の正の向きとします。
$X$ を落下させてから $t_X$ 秒後の $X$ の速度を $v_X$ とすると
$\displaystyle v_X = 0 + \int_0^{t_X} 9.8~ds = 9.8t_X$
であり, その時の $X$ の位置 $x_X$ は
$\displaystyle x_X = 0 + \int_0^{t_X} 9.8s~ds = 4.9t_X^2$
となります。また $Y$ を投げ下ろしてから $t$ 秒後の $Y$ の速度を $v_Y$ とすると
$\displaystyle v_Y = 24.5 + \int_0^t 9.8~ds = 24.5 + 9.8t$
であり, その時の $Y$ の位置 $x_Y$ は
$\displaystyle x_Y = 0 + \int_0^t (24.5 + 9.8s)~ds = 24.5t + 4.9t^2$
となります。
$X$ を落下させてから $2$ 秒後に $Y$ を投げ下ろしているので
$t_X = t+2$
を代入すれば, $Y$ を投げ下ろしてから $t$ 秒後の $X$ の位置は
$x_X = 4.9(t+2)^2$
となります。$Y$ が $X$ に追いつく時 $x_X = x_Y$ であるから
$4.9(t+2)^2 = 24.5t + 4.9t^2$
これを解くと $t = 4$ となるので $4$ 秒後に $Y$ は $X$ に追いつくことがわかります。
(2)
$v_X$ にも $t_X = t+2$ を代入すると
$v_X = 9.8(t+2)$
$4$ 秒後に追いつくので $t=4$ を代入すると
$v_X = 9.8 \cdot(4+2) = 58.8$
また $v_Y$ に $t=4$ を代入すると
$v_Y = 24.5 + 9.8\cdot 4 = 63.7$
(3)
落下距離は $t=4$ における $X$ または $Y$ の位置に等しいので
$x_X = 4.9\cdot (4+2)^2 = 176.4$
となります。
時刻 $t$ における ${\rm P}$ の位置を $x(t)$, 加速度を $a(t)$ とします。
$t=0$ の時に原点にあるので $x(0) = 0$ であることに注意すると
$\begin{eqnarray*} x(t) & = & x(0) + \int_0^t v(s)~ds\\ & = & \int_0^t \sin \pi s ~ds\\ & = & \left[ -\dfrac{1}{\pi} \cos \pi s\right]_0^t = \dfrac{1}{\pi}\left( 1 - \cos \pi t \right) \end{eqnarray*}$
よって $t=3$ の時の点 ${\rm P}$ の位置は
$x(3) = \dfrac{1}{\pi}\left( 1- \cos 3\pi\right) = \dfrac{2}{\pi}$
また, 加速度 $a(t)$ は
$a(t) = \dfrac{dv}{dt} = \pi \cos \pi t$
であるから, $t=3$ を代入すると
$a(3) = \pi \cos 3\pi = -\pi$
となります。