3. 無理関数 例題集

$Q1$.
次の関数の定義域と値域を求めなさい。

(1) $y = \sqrt{ x-3 }$
(2) $y = \sqrt{ 2x+1 }$
(3) $y = \sqrt{ x+2 }-1$
(4) $y = \sqrt{ x^2-1 }$
(5) $y = \sqrt{ (x-1)(x-2)(x-4)}+3$
解答・解説を見る
(1)
定義域: $x \geqq 3$
値域: $y \geqq 0$
(2)
定義域: $x \geqq -\dfrac{1}{2}$
値域: $y \geqq 0$
(3)
定義域: $x \geqq -2$
値域: $y \geqq -1$
(4)
定義域: $x \leqq -1$, $1\leqq x$
値域: $y \geqq 0$
(5)
定義域: $1\leqq x \leqq 2$, $4\leqq x$
値域: $y \geqq 3$

無理関数 $y = \sqrt{f(x)}$ の定義域は $f(x) \geqq 0$ となる $x$ の範囲になります。

(1)
$y = \sqrt{ x-3}$ の定義域は $x-3 \geqq$ となる $x$ の範囲なので $x \geqq 3$ となります。

また, $\sqrt{x-3} \geqq 0$ より, 値域は $y \geqq 0$ となります。

(2)
$2x+1 \geqq 0$ とすると $x \geqq -\dfrac{1}{2}$ となるので, 定義域は $x \geqq -\dfrac{1}{2}$ となります。

また, $\sqrt{2x+1} \geqq 0$ より, 値域は $y \geqq 0$ となります。

(3)
$x + 2 \geqq 0$ より, 定義域は $x \geqq -2$ となります。

また, $\sqrt{x+2} \geqq 0$ より, $\sqrt{x+2} -1 \geqq -1$ となるので, 値域は $y \geqq -1$ となります。

(4)
$x^2 -1 \geqq 0$ とすると, $x^2 -1 = (x+1)(x-1)$ より

$(x+1)(x-1) \geqq 0$

これを解くと, $x \leqq -1$ または $1\leqq x$ となります。

また, $\sqrt{x^2-1} \geqq 0$ より, 値域は $y \geqq 0$ となります。

(5)
$(x-1)(x-2)(x-4) \geqq 0$ を解くと $1\leqq x \leqq 2$, $4 \leqq x$ となるので

定義域は $1\leqq x \leqq 2$, $4 \leqq x$ となります。

また, $\sqrt{(x-1)(x-2)(x-4)} \geqq 0$ より, $\sqrt{(x-1)(x-2)(x-4)}+3 \geqq 3$ となるので

値域は $y \geqq 3$ となります。

$Q2$.
次の $2$ つの関数のグラフの共有点を求めなさい。

$y = -x + 5$
$y = \sqrt{x-1} + 2$
解答・解説を見る
$(2,3)$

$2$ つの式から方程式を作り, $x$ 座標を求めますが, 無理関数の定義域と値域を考慮に入れる必要があります。

$-x + 5 = \sqrt{x-1} + 2$ とすると

$-x + 3 = \sqrt{x-1}$

ここで $x-1 \geqq 0$ であり, また $\sqrt{x-1} \geqq 0$ より

$-x +3 \geqq 0$

よって $1 \leqq x \leqq 3$ であることに注意しましょう。

$-x + 3 = \sqrt{x-1}$ の両辺を $2$ 乗すると

$\begin{eqnarray*} x^2 - 6x + 9 & = & x-1\\[0.5em] x^2 - 7x + 10 & = & 0\\[0.5em] (x-2)(x -5) & = & 0 \end{eqnarray*}$

よって $x = 2$ または $x = 5$ となりますが,

$1 \leqq x \leqq 3$ であったので $x=2$ となります。

$x=2$ の時, $y = -2+5=3$ より, 共有点の座標は $(2,3)$ となります。

$Q3$.
次の $2$ つの関数のグラフの位置関係を答えなさい。

$y = \sqrt{-3x+2} \cdots (1)$
$y = -\sqrt{3x + 2} \cdots (2)$
解答・解説を見る
$(2)$ のグラフは $(1)$ のグラフと原点に関して対称である。

$f(x) = \sqrt{-3x+2}$, $~~g(x) = -\sqrt{3x+2}$

とすると

$g(x) = - f(-x)$

が成り立ちます。 全ての $x \left( \geqq \dfrac{2}{3} \right)$ に対して

$g(-x) = -f(-(-x)) = -f(x)$

となるので, 点 $(x,f(x))$ と点 $(-x,g(-x))$ は原点を中心に点対称であることがわかります。

よって $(2)$ のグラフは $(1)$ のグラフを原点に関して対称 (原点を中心に $180^{\circ}$ 度回転したもの) になります。

$Q4$.
次の不等式を解きなさい。

$\sqrt{4x+12} \gt x$
解答・解説を見る
$-3 \leqq x \lt 6$

根号の中は非負であるので

$4x + 12 \geqq 0$

よって $x \geqq -3$ となります。

$-3 \leqq x \lt 0$ の時は

$\sqrt{4x+12} \geqq 0 \gt x$

より, 不等式は常に成り立ちます。

また $x \geqq 0$ の時,

$\sqrt{4x+12} \gt x \Longleftrightarrow \left( \sqrt{4x+12} \right)^2 \gt x^2$

なので $\left( \sqrt{4x+12} \right)^2 \gt x^2$ を考えると

$\begin{eqnarray*}x^2 - \left(\sqrt{4x - 12} \right)^2 & = & x^2 - (4x+12)\\[0.5em] & = & x^2 -4x -12 \\[0.5em] & = & (x+2)(x-6) \lt 0\end{eqnarray*}$

よって $-2 \lt x \lt 6$ となり, $x \geqq 0 $ であったから $0 \leqq x \lt 6$ となります。

以上をまとめると $-3 \leqq x \lt 0$ または $0 \leqq x \lt 6$, すなわち $-3 \leqq x \lt 6$ が解となります。