$Q1$.
次の行列の行列式を計算しなさい。
$Q2$.
次の行列の行列式を計算しなさい。
$1$ 行目と $3$ 行目を入れ換えると
$|30−13−23−121−2−3−3−21−2−2| = - |1−2−3−3−23−1230−13−21−2−2|$
$1$ 列目の成分が $0$ になるように, 各行から $1$ 行目を引くと
$−|1−2−3−3−23−1230−13−21−2−2|=−|1−2−3−30−1−7−4068120−3−8−8|=−|−1−7−46812−3−8−8|$
$1$ 行目から $(-1)$ をくくり出すと
$- |−1−7−46812−3−8−8| = |1746812−3−8−8|$
再び $1$ 列目の成分が $0$ になるように, $2$ 行目と $3$ 行目から $1$ 行目を引くと
$|1746812−3−8−8|=|1740−34−120134|=|−34−12134|=−136+156=20$
$Q3$.
次の行列の行列式を計算しなさい。
$2$ 行目と $3$ 行目から $1$ 行目を引くと
$|1xx21yy21zz2|=|1xx20y−xy2−x20z−xz2−x2|=|y−xy2−x2z−xz2−x2|=(y−x)(z−x)|1y+x1z+x|=(y−x)(z−x)((z+x)−(y+x))=(y−x)(z−x)(z−y)$
よって整理すると $|1xx21yy21zz2| = (x-y)(y-z)(z-x)$ となります。
【別解】
行列式は $x$ に関する多項式になるので
$f(x) = |1xx21yy21zz2|$
とすると, $f(x)$ の次数は高々 $2$ であることがわかります。
同じ列を含む行列の行列式は $0$ であるから, $x=y$ とすると
$f(y) = |1yy21yy21zz2| = 0$
因数定理より, $f(x)$ は $(x-y)$ を因数に持ちます。
同様に $f(z)=0$ となるので $f(x)$ は $(x-z)$ を因数に持ちます。
$f(x)$ の ($x$ に関する) 次数は $2$ なので
$f(x) = \alpha(x-y)(x-z)$
であり, 行列式において $x^2$ を含む項は
$zx^2 - yx^2 = (z-y)x^2$
であるから, このことから $\alpha = (z-y)$ となります。
よってこの行列の行列式は
$|1xx21yy21zz2| = f(x) = (y-z)(x-y)(x-z)$
となります。
$Q4$.
行列 $A$ が正則である時 $|A|\not=0$ であることを証明しなさい。
単位行列を $E$ とすると $|E|=1$ であることに注意する。
$A$ の逆行列を $A^{-1}$ とすると
$|A||A^{-1}| = |AA^{-1}| = |E| = 1$
$|A||A^{-1}|\not=0$ より, 特に $|A|\not=0$ である。
よって $A$ が正則ならば $|A|\not=0$ が成り立つ。
$Q5$.
$n$ 次の正方行列 $A$ について以下の問いに答えなさい。
(1)
5章の例題より, 行基本変形は基本行列を左からかける操作に対応する。
よって, $B$ は $A$ に行基本変形を施したものなので $B$ はある基本行列 $P$ を用いて
$B = PA$
と表せる。
$P$ が基本行列の時, $|P|\not=0$ であることに注意すると
$|B| = |PA| = |P||A|$
$|P|\not=0$ であるから, $|A|\not=0 \Leftrightarrow |B|\not=0$ が成り立つ。
(2)
${\rm rank}~A=n$ の時, $A$ に行基本変形を複数回施すことで, $A$ は次のような上三角行列 $B$ に変形できる。
$B = (1b12⋯b1n−1b1n01⋯b2n−1b2n⋮⋮⋱⋮⋮00⋯1bn−1n00⋯01)$
すると $|B|=1\not=0$ であるから, (1) より $|A|\not=0$ が成り立つ。
${\rm rank}~A \lt n$ の時は, $A$ は行基本変形により $0$ だけからなる行を含む行列 $B$ に変形でき, そのような $B$ は
$|B|=0$
となるので, (1) より $|A|=0$ が成り立つ。
$1$ 行目と $2$ 行目を入れ換えると
$|13−30−1−2002−311−1−221| =(-1) |−1−20013−302−311−1−221|$
$1$ 行目から $(-1)$ をくくり出すと
$(-1) |−1−20013−302−311−1−221| =|120013−302−311−1−221|$
$2$ 列目から $1$ 列目の $2$ 倍を引くと
$|120013−302−311−1−221|=|12−20013−2−302−3−411−1−2−(−2)21|=|100011−302−711−1021|$
転置行列の行列式は変わらないので, 8章の例題 $Q4$ の性質を使うと
$|100011−302−711−1021| = |1−30−711021| = 1 - 2 - 21 = -22$