行列式の定義 例題集

$Q1$.
次の行列の行列式を計算しなさい。

$(5235)$
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$31$

$2$ 次の正方行列 $ (abcd)$ の行列式は

$|abcd| = ad-bc$

と計算されます。よって

$|5235| = 5\cdot 5 - (-2)\cdot 3 = 25 +6=31$

となります。

$Q2$.
次の行列の行列式を計算しなさい。

$(210454111)$
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$18$

$3$ 次の正方行列の行列式はサラスの方法で計算できます。

$|210454111|=(2)5(1)+(1)41+0(4)1    (2)41(1)(4)(1)051=104+0+8+40=18$

となります。

$Q3$.
次の置換は偶置換か奇置換か答えなさい。

(1) $1$, $2$ を $2$, $1$ と並び替える置換
(2) $1$, $2$, $3$ を $2$, $3$, $1$ と並び替える置換
(3) $1$, $2$, $3$ を $2$, $1$, $3$ と並び替える置換
(4) $1$, $2$, $3$ をそのまま並び替えない置換
(5) $1$, $2$, $3$, $4$ を $2$, $3$, $4$, $1$ と並び替える置換
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(1) 奇置換
(2) 偶置換
(3) 奇置換
(4) 偶置換
(5) 奇置換

(1)
$1$, $2$ を $2$, $1$ と並び替える置換は互換であり, 互換は奇置換 ($1$ つの互換からなる置換) なのでこの置換は奇置換です。

(2)
$1$, $2$, $3$ を $2$, $3$, $1$ と並び替える置換は次のように $2$ つの互換の組み合わせで表すことができます。

$1$, $2$, $3$ $\longrightarrow$ $2$, $1$, $3$ $\longrightarrow$ $2$, $3$, $1$

よってこの置換は偶置換です。

(3)
$1$, $2$, $3$ を $2$, $1$, $3$ と並び替える置換は $1$ と $2$ を並び替える互換です。

互換は奇置換なので, この置換は奇置換です。

(4)
$1$, $2$, $3$ を並び替えない置換は $0$ 個の互換の組み合わせと考えられます。

よってこの置換は偶置換です。

※このようにどの数も並び替えない置換を 恒等置換 といいます。

(5)
$1$, $2$, $3$, $4$ を $2$, $3$, $4$, $1$ と並び替える置換は次のように $3$ つの互換の組み合わせで表すことができます。

$1$, $2$, $3$, $4$ $\longrightarrow$ $2$, $1$, $3$, $4$ $\longrightarrow$ $2$, $3$, $1$, $4$ $\longrightarrow$ $2$, $3$, $4$, $1$

よってこの置換は奇置換です。

$Q4$ [重要].
次の行列の行列式を計算しなさい。

$(a11a12a130a22a230a32a33)$
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$a_{11}(a_{22}a_{33} - a_{23}a_{32})$

サラスの方法を使うと

$|a11a12a130a22a230a32a33|=a11a22a33+0+0a11a23a3200=a11(a22a33a23a32)$

【補足】

ここから

$|a11a12a130a22a230a32a33| = a_{11}|a22a23a32a33|$

が成り立つことがわかります。

また, この性質は一般の行列でも成り立ち, $n$ 次行列に対し

$|a11a12a1n0a22a2n0an2ann| = a_{11}|a22a2nan2ann|$

という等式が成り立ちます。

行列式の計算において, この性質はよく使うので覚えておきましょう。