2次関数と2次方程式・2次不等式 例題集

$Q1$.
次の $2$ 次関数のグラフと $x$ 軸との共有点の数を調べ, 共有点がある時はその $x$ 座標を求めなさい。

(1) $y = x^2 + 9x + 20$
(2) $y = 2x^2 -12x + 18$
(3) $y = -x^2 + 2x -2$
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(1) 共有点は $2$ 個で, $x$ 座標は $x=-5$, $x=-4$
(2) 共有点は $1$ 個で, $x$ 座標は $x=3$
(3) 共有点は $0$ 個

判別式の符号を調べると $x$ 軸との共有点の数を調べることができます。

(1)
判別式を $D$ とすると

$D = 9^2 - 4\cdot 20 = 1 \gt 0$

よって $x$ 軸と共有点を $2$ つ持つことがわかります。

$2$ 次関数の右辺を因数分解すると

$x^2+9x+20 = (x+5)(x+4)$

よって共有点の $x$ 座標は $x=-5$, $-4$ となります。

(2)
判別式を $D$ とすると

$D = (-12)^2 - 4\cdot 2\cdot 18 = 144-144 = 0$

よって $x$ 軸と共有点を $1$ つ持つことがわかります。

$2$ 次関数の右辺を因数分解すると

$2x^2-12x+18 = 2(x-3)^2$

よって共有点の $x$ 座標は $x=3$ となります。

(3)
判別式を $D$ とすると

$D = 2^2 - 4\cdot (-1)\cdot (-2) = - 4\lt 0$

よってこのグラフは $x$ 軸と共有点を持たないことがわかります。

$Q2$.
次の $2$ 次関数のグラフが $x$ 軸と共有点を持つような $k$ の範囲を求めなさい。また, $x$ 軸に接する時の $k$ の値を求めなさい。

(1) $y = 2x^2 + 8x+k$
(2) $y = x^2 +kx + 4$
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(1) $k \leqq 8$ の時, 共有点を持ち, $k=8$ の時に接する。
(2) $k \leqq -4$ または $4 \leqq k$ の時, 共有点を持ち, $k= \pm 4$ の時に接する。

判別式 $D \geqq 0$ となるように $k$ の範囲を定めます。

(1)
判別式を $D$ とすると, $x$ 軸と共有点を持つとき $D \geqq 0$ なので

$\begin{eqnarray*}D & =& 8^2 -4\cdot 2 \cdot k\\[0.5em] & = & 64 - 8k \geqq 0 \end{eqnarray*}$

これを解くと $k \leqq 8$ となります。

また, $x$ 軸と接する時は $D=0$ となるので $64-8k=0$ より $k=8$ となります。

(2)
判別式を $D$ とすると

$\begin{eqnarray*}D & = & k^2 -4\cdot 4\\[0.5em] & = & k^2-16 \geqq 0\end{eqnarray*}$

これを解くと $k^2 \geqq 16$ より $k \leqq -4$, $4 \leqq k$ となります。

また, $x$ 軸と接する時は $D=0$ となるので $k^2-16=0$ より $k=\pm 4$ となります。

$Q3$.
次の $2$ 次関数と $1$ 次関数のグラフが接するように $k$ の値を定め, その時の接点の座標を求めなさい。

$y = 2x^2 + 9x -1$
$y = -7x+k$
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$k = -33$ で, 接点の座標は $(-4,-5)$

$2$ つのグラフの共有点を求めると

$2x^2 +9x -1 = -7x+k$

整理すると

$2x^2 + 16x -(k+1) = 0 ~~~\cdots (1)$

$2$ つのグラフが接することから, 共有点は唯一つなので左辺の判別式を $D$ とすると

$\begin{eqnarray*}D & = & 16^2 - 4\cdot 2 \cdot \left( -(k+1) \right)\\[0.5em] & = & 216 + 8(k+1) = 0\end{eqnarray*}$

$k$ について解くと, $k=-\dfrac{216}{8} -1 = -32-1=-33$ となります。

また, $k=-33$ を $(1)$ に代入すると

$\begin{eqnarray*}2x^2 + 16x - (-33+1) & = & 2x^2 + 16x + 32 \\[0.5em] & = & 2(x+4)^2 =0 \end{eqnarray*}$

よって $x=-4$ であることがわかります。$y$ 座標を求めると

$y = (-7)\cdot (-4) - 33 = 28-33 = -5$

よって接点の座標は $(-4,-5)$ となります。

$Q4$.
ある工場の製品は, 単価が $140$ 円の時 $300$ 個売れる。
この製品は単価を $10$ 円値上げすると, 販売個数が $10$ 個下がることがわかっている。
売上を $45900$ 円以上にしたい時の, 製品の単価の範囲を求めなさい。

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$170$ 円以上, $270$ 円以下

単価を $10x$ 円値上げすると販売個数は $10x$ 個下がるので, 単価が $(140+10x)$ 円の時, この製品は $(300 -10x)$ 個売れることになります。

よって, 売上を $y$ とすると, 単価 $(140+10x)$ 円の時の売上は

$\begin{eqnarray*}y & = & (140+10x)(300-10x)\\[0.5em] & = & 100(14+x)(30-x)\\[0.5em] & = & 100(-x^2 + 16x + 420)\\[0.5em] & = & -100(x^2 -16x -420)\end{eqnarray*}$

となります。売上を $45900$ 円以上にしたいので

$\begin{eqnarray*}-100(x^2 -16x -420) & \geqq & 45900\\[0.5em] x^2 -16x -420 & \leqq & -459\\[0.5em] x^2 -16x + 39 & \leqq & 0\end{eqnarray*}$

ここで $x^2 -16x + 39 = (x-3)(x-13)$ であるから

$(x-3)(x-13) \leqq 0$

よって $3 \leqq x \leqq 13$ であることがわかります。

$x=3$ の時の単価は $140+30=170$ 円, $x=13$ の時の単価は $140+130 = 270$ 円となるので, 製品の単価の範囲は $170$ 円以上, $270$ 円以下になります。