7. 等差数列 例題集

$Q1$.
次の等差数列の初項と公差を答えなさい。

(1) $3,11,19,27,35,\cdots$
(2) $22, 17, 12, 7, 2, \cdots$
(3) $-2,-2,-2,-2,-2,\cdots$
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(1) 初項 $3$, 公差 $8$
(2) 初項 $22$, 公差 $-5$
(3) 初項 $-2$, 公差 $0$

(1)
初項は $3$ であり, この数列は $8$ ずつ値が増加しているので公差は $8$ になります。

(2)
初項は $22$ であり, この数列は $5$ ずつ値が減少しているので公差は $-5$ になります。

(3)
初項は $-2$ であり, この数列は常に同じ値を取っているので公差は $0$ になります。

$Q2$.
初項 $32$, 公差 $-3$ の等差数列において, 以下の問いに答えなさい。

(1) この数列の一般項を求めなさい。
(2) 第 $10$ 項を求めなさい。
(3) $-22$ は第何項か求めなさい。
(4) この数列の項が初めて負の値になるのは第何項か求めなさい。
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(1) $-3n+35$
(2) $5$
(3) 第 $19$ 項
(4) 第 $12$ 項

(1)
初項 $a$, 公差 $d$ の等差数列の一般項は

$a_n = a + (n-1)d$

と表せるので, この数列の一般項は

$a_n = 32+(n-1)\cdot(-3) = -3n+35$

となります。

(2)
(1) で求めた一般項に $n=10$ を代入すると

$a_{10} = -30+35 =5$

よって第 $10$ 項の値は $5$ になります。

(3)
一般項を用いて

$-3n + 35 = -22$

とすると $n = \dfrac{-22-35}{-3} = 19$

よって第 $19$ 項が $-22$ になります。

(4)
一般項を用いて

$-3n + 35 \lt 0$

とすると $n \gt \dfrac{35}{3} = 11.66\ldots$

この不等式を満たす最小の自然数は $n=12$ であるから, 第 $12$ 項で初めて負の値になることがわかります。

$Q3$.
ある等差数列は第 $10$ 項の値が $40$ で, 第 $21$ 項の値が $62$ であった。この数列の一般項を求めなさい。

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$2n+20$

この数列の初項を $a$, 公差を $d$ とすると, 一般項は

$a_n = a + (n-1)d$

と表せるので, 第 $10$ 項が $40$ であることから

$40 = a + 9d ~~ \cdots(1)$

また, 第 $21$ 項が $62$ であることから

$62 = a + 20d ~~ \cdots(2)$

$(2) - (1)$ より

$11d = 22$

よって $d=2$, $a = 22$ であることがわかり, 一般項は

$a_n = 22+2(n-1) = 2n + 20$

となります。

$Q4$.
初項 $-39$, 公差 $6$ の等差数列において, 以下の問いに答えなさい。

(1) この数列の一般項を求めなさい。
(2) この数列の初項から第 $n$ 項までの和を $n$ の式で表しなさい。
(3) 初項から第 $20$ 項までの和を求めなさい。
(4) 初項から第 $n$ 項までの和が初めて正の値になるのは $n$ がいくつの時か答えなさい。
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(1) $6n -45$
(2) $3n^2 -42n$
(3) $360$
(4) 第 $15$ 項

(1)
初項 $-39$, 公差 $6$ の等差数列なので, その一般項は

$a_n = -39 + 6(n-1) = 6n -45$

となります。

(2)
初項 $a$, 公差 $d$ の等差数列の, 初項 $a_1$ から第 $n$ 項 $a_n$ までの和 $S_n$ は

$S_n = \dfrac{n \{ 2a+(n-1)d\} }{2} = \dfrac{n(a_1 + a_n)}{2}$

と表せるので, この数列の和は

$S_n = \dfrac{n(6n - 84) }{2} = 3n^2 -42n$

となります。

(3)
(2) で求めた式を用いると

$S_{20} =3\cdot 20^2 - 42\cdot 20 = 1200 - 840 = 360$

よって第 $20$ 項までの和は $360$ となります。

(4)
(2) で求めた式から

$3n^2 - 42n \gt 0$

とすると $3n^2-42n = 3n(n - 14)$ かつ $3n \gt 0$ より

$n -14 \gt 0$

であればよいことがわかります。

$n \gt 14$ より, この不等式を満たす最小の自然数は $n=15$ であるから, 第 $15$ 項までの和で初めて正の値になります。

$Q5$.
$100$ 以上 $200$ 以下である $3$ の倍数の総和を求めなさい。

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$4950$

求める和を, 等差数列の和として表せないか考えましょう。

$100$ 以上の $3$ の倍数で最も小さい値は $102$ になります。

初項 $102$, 公差 $3$ の等差数列を考えると, この数列の一般項は

$a_n = 102 +3(n-1) = 3n + 99$

また, $200$ 以下の $3$ の倍数で最も大きい値は $198$ なので

$3n+99=198$

とすると $n = \dfrac{198-99}{3}= 33$ より $198$ は第 $33$ 項であることがわかります。

よって $100$ 以上 $200$ 以下の $3$ の倍数の和は, 初項 $102$, 公差 $3$ の等差数列の第 $33$ 項までの和に等しいことがわかります。

一般に, 等差数列の初項 $a_1$ から第 $n$ 項 $a_n$ までの和 $S_n$ は

$S_n = \dfrac{n(a_1 + a_n)}{2}$

と表せるので $n=33$ を代入すると $a_{33} = 198$ より

$S_{33} = \dfrac{33(102 + 198)}{2} = 4950$

よって $100$ 以上 $200$ 以下の $3$ の倍数の和は $4950$ になります。

$Q6$.
$100$ 以上 $200$ 以下の整数の中で, $5$ で割り切れない数の総和を求めなさい。

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$12000$

$100$ 以上 $200$ 以下の整数の和から, $5$ の倍数の和を引いて答を求めます。

$100$ 以上 $200$ 以下の全ての整数の和は, 初項 $100$, 公差 $1$ の等差数列の第 $101$ 項までの和に等しいので, その和は

$\dfrac{101(100 + 200)}{2} = 15150$

また, $100$ 以上 $200$ 以下の $5$ の倍数の和は, 初項 $100$ 公差 $5$ の等差数列の第 $21$ 項までの和に等しいので, その和は

$\dfrac{21(100+200)}{2}= 3150$

よって $100$ 以上 $200$ 以下の, $5$ で割り切れない数の総和は

$30150 - 3150 = 12000$

となります。

$Q7$.
項数が $3$ である等差数列 $a_1,a_2,a_3$ に対し, この $3$ つの数の和が $-6$, 積が $10$ である時, $a_1,a_2,a_3$ を求めなさい。ただし公差は正の数とする。

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$a_1 = -5$, $a_2 = -2$, $a_3 = 1$

公差を $d$ とすると, この数列が等差数列であることから

$a_1 = a_2 -d~,~~a_3 = a_2 + d$

が成り立ちます。$3$ つの数の和が $-6$ であることから

$a_1 + a_2 + a_3 = (a_2-d)+a_2+(a_2+d) = 3a_2 = -6$

よって $a_2 = -2$ であることがわかります。また, $3$ つの数の積が $10$ であることから

$a_1\cdot a_2\cdot a_3 = (-2-d)\cdot (-2)\cdot(-2+d) = 2(d^2-4) = 10$

整理すると $d^2 = 9$ となりますが, 公差 $d \gt 0$ より $d=3$ となります。

それぞれ代入すれば $a_1 = -2-3=-5$, $a_3= -2+3=1$ であることがわかります。