2. 変数分離形 例題集

$Q1$.
次の微分方程式の一般解を求めなさい。

(1) $\dfrac{dx}{dt} = 1$
(2) $\dfrac{dx}{dt} = 2x$
解答・解説を見る
(1) $x= t + C~~$ ($C$ は任意定数)
(2) $x= Ce^{2t}~~$ ($C$ は任意定数)

$\dfrac{dx}{dt} = f(t)g(x)$

の形で表される微分方程式を 変数分離形 といいます。変数分離形は

$\displaystyle \int \dfrac{1}{g(x)}~dx = \int f(t)~dt$

を計算し整理して一般解を求めましょう。

(1)
両辺を $t$ で積分すれば

$\displaystyle \int \dfrac{dx}{dt}~dt = \int ~dt$

であり, 左辺は置換積分をすることで

$\displaystyle \int ~dx = \int ~dt$

よって $x = t+C~$ ($C$ は任意定数) となります。

(2)
両辺を $x$ で割り $t$ で積分すると

$\displaystyle \int \dfrac{1}{x}~\dfrac{dx}{dt}~dt = \int 2~dt$

左辺は置換積分すると

$\displaystyle \int \dfrac{1}{x} ~dx = 2\int ~dt$

$\log |x| = 2t+C$ より

$|x| = e^{2t+C} = e^Ce^{2t}$

$\pm e^C$ を $C$ と置き直すと

$x = Ce^{2t}~$ ($C\not=0$)

$x=0$ もこの微分方程式の解であるから, 一般解は

$x = Ce^{2t}$

となります。

$Q2$.
次の微分方程式の一般解を求めなさい。

(1) $\dfrac{dx}{dt} = x^2$
(2) $\dfrac{dx}{dt} = \dfrac{3}{x^2}$
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(1) $x= -\dfrac{1}{t + C}~~$ ($C$ は任意定数)
(2) $x= (9t + C)^{\frac{1}{3}}~~$ ($C$ は任意定数)

(1)
両辺を $x^2$ で割り $t$ で積分すると

$\displaystyle \int \dfrac{1}{x^2}~dx = \int ~dt$

となるので, 計算すると

$\displaystyle - \dfrac{1}{x} = t + C$

よって $x = -\dfrac{1}{t+C}~$ ($C$ は任意定数) となります。

(2)
両辺に $x^2$ をかけ $t$ で積分すると

$\displaystyle \int x^2~dx = \int 3~dt$

となるので, 計算すると

$\displaystyle \dfrac{1}{3}x^3 = 3t +C$

$3C$ を $C$ と置き直せば $x^3 = 9t+C$ なので, 一般解は

$x = \left( 9t+C\right)^{\frac{1}{3}}~~$ ($C$ は任意定数)

となります。

$Q3$.
次の微分方程式の一般解を求めなさい。

$e^{-2t}\dfrac{dx}{dt} = t$
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$x = \cfrac{1}{4} (2t-1) e^{2t} + C ~~$ ($C$ は任意定数)

両辺に $e^{2t}$ をかけ $t$ で積分すると

$\displaystyle \int ~dx = \int te^{2t}~dt$

となるので, 右辺は部分積分を使って計算すると

$\begin{eqnarray*}x & = & \int te^{2t}~dt\\[1em] & = & \dfrac{1}{2}te^{2t} - \dfrac{1}{2}\int e^{2t}~dt\\[1em] & = & \dfrac{1}{2}te^{2t} - \dfrac{1}{4}e^{2t} + C = \dfrac{1}{4}\left( 2t - 1\right)e^{2t} + C \end{eqnarray*}$

よって一般解は

$x = \dfrac{1}{4}\left( 2t - 1\right)e^{2t} + C~~$ ($C$ は任意定数)

となります。

$Q4$.
次の微分方程式の一般解を求めなさい。

(1) $\dfrac{dx}{dt} + x\sin t=0$
(2) $\sin t \dfrac{dx}{dt} + x\cos t = 0$
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(1) $x = Ce^{\cos t} ~~$ ($C$ は任意定数)
(2) $x = \dfrac{C}{\sin t} ~~$ ($C$ は任意定数)

(1)
式を変形すると

$\dfrac{1}{x}\dfrac{dx}{dt} = -\sin t$

となるので $t$ で積分すると

$\displaystyle \int \dfrac{1}{x}~dx =- \int \sin t~dt$

よって

$\log |x| = \cos t +C$

$|x| = e^Ce^{\cos t}$ より

$x = Ce^{\cos t}~~$ ($C\not=0$)

一方 $x=0$ もこの微分方程式の解なので, 一般解は

$x = Ce^{\cos t}~~$ ($C$ は任意定数)

となります。

(2)
式を変形すると

$\dfrac{1}{x}\dfrac{dx}{dt} = -\dfrac{\cos t}{\sin t}$

となるので $t$ で積分すると

$\displaystyle \int \dfrac{1}{x}~dx =- \int \dfrac{\cos t}{\sin t}~dt$

$\cos t = (\sin t)'$ であるから, 計算すると

$\log |x| = -\log |\sin t| + C$

$-\log |\sin t|$ を移項し, 対数の性質を使うと

$\log |x\sin t| = C$

$|x\sin t| = e^C$ なので

$x\sin t = C~~$ ($C\not=0$)

一方 $x=0$ もこの微分方程式の解であるから, 一般解は

$x = \dfrac{C}{\sin t}~~$ ($C$ は任意定数)

となります。