10. 常用対数

$Q1$.
$\log_{10} 2 = 0.3010$ として次の値を計算しなさい。

(1) $\log_{10}5$
(2) $\log_2 \sqrt{5}$
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(1) $0.6990$
(2) $1.1611$

(1)

$\log_{10} 5 = \log_{10} \dfrac{10}{2} = \log_{10}10 - \log_{10} 2 = 1- 0.3010 = 0.6990$

(2)

$\log_2 \sqrt{5} = \dfrac{1}{2}\log_2 5 = \dfrac{1}{2}\cdot \dfrac{\log_{10}5}{\log_{10}2}$

と表せるので, (1) の結果を用いると

$\log_2 \sqrt{5} = \dfrac{1}{2} \cdot \dfrac{\log_{10}5}{\log_{10}2} = \dfrac{1}{2} \cdot \dfrac{0.6990}{0.3010} \fallingdotseq 1.1611$

$Q2$.
ある細菌は $1$ 時間で $1$ 回分裂して倍になる。
この細菌が $1$ 個から $1000$ 個以上になるのは何時間後か。自然数で答えなさい。
ただし $\log_{10} 2 = 0.3010$ とし, 細菌は死なないものとする。

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$10$ 時間後

$n$ 時間後の細菌の数は $2^n$ 個になるので,

$2^n \geqq 1000$

が成り立つ最小の $n$ を求めればよいことになります。

$\begin{eqnarray*}2^n \geqq 1000 & \Longleftrightarrow & \log_{10} 2^n \geqq \log_{10} 1000 \\[0.5em] & \Longleftrightarrow & n\log_{10}2 \geqq 3\end{eqnarray*}$

ここで $\log_{10} 2 = 0.3010$ より

$n \geqq \dfrac{3}{0.3010} \fallingdotseq 9.9668$

よって $10$ 時間後に $1000$ 個以上になることがわかります。

$Q3$.
$\log_{10}3 = 0.4771$ を用いて, $3^{20}$ の桁数を求めなさい。

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$10$ 桁

対数を考えると

$\log_{10} 3^{20} = 20 \log_{10}3 = 20 \cdot 0.4771 = 9.542$

$9 \lt \log_{10} 3^{20} \lt 10$ であるから

$10^9 \lt 3^{20} \lt 10^{10}$

が成り立ちます。

ここで $10^9$ は $10$ 桁, $10^{10}$ は $11$ 桁の数のなので, $3^{20}$ は $10$ 桁の数になります。

※実際 $3^{20} = 3486784401$ なので, $10$ 桁であることがわかります。

$Q4$.
$\log_{10} 2 = 0.3010$, $\log_{10} 3 = 0.4771$ を用いて, $\left( \dfrac{2}{3} \right)^{50}$ は小数第何位に初めて $0$ でない数が現れるか答えなさい。

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第 $9$ 位

対数を考えると

$\begin{eqnarray*}\log_{10} \left( \dfrac{2}{3} \right)^{50} & = & 50 \log_{10} \dfrac{2}{3}\\[0.5em] & = & 50\left( \log_{10} 2 - \log_{10}3 \right) \\[0.5em] & = & 50\left( 0.3010 - 0.4771 \right) = -8.805\end{eqnarray*}$

$-9 \lt \log_{10} \left( \dfrac{2}{3} \right)^{50} \lt -8$ より

$10^{-9} \lt \left( \dfrac{2}{3} \right)^{50} \lt 10^{-8}$

ここで, $10^{-9} = 0.1^9$ は小数第 $9$ 位に, $10^{-8} = 0.1^8$ は小数第 $8$ 位に初めて $0$ 出ない数が現れるので

$\left( \dfrac{2}{3} \right)^{50}$ は小数第 $9$ 位に初めて $0$ でない数が現れることがわかります。