17. 媒介変数表示と微分法 例題集

$Q1$.
以下の媒介変数表示された曲線を $x$ と $y$ の関係式で表しなさい。

(1) $\begin{cases} x = t \\ y = 2t-3 \end{cases}$
(2) $\begin{cases} x = -2t \\ y = -6t-2 \end{cases}$
(3) $\begin{cases} x = t^2+1 \\ y = -t^2 + 1 \end{cases}$
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(1) $y = 2x-3$
(2) $y = 3x-2$
(3) $y = -x+2~~(x \geqq 1)$

与えられた式から $t$ を消去して, $x$ と $y$ だけの式に変形します。

(1)
$t=x$ を代入すれば

$y = 2t-3$

となるので, これは傾きが $2$, $y$ 切片が $-3$ の直線になります。

(2)
$t = -\dfrac{x}{2}$ を代入すれば

$y = -6 \left(-\dfrac{x}{2} \right) -2 = 3x-2$

よって, これは傾きが $3$, $y$ 切片が $-2$ の直線になります。

(3)
$x$ と $y$ を足すと

$x+y = (t^2+1)+(-t^2+1) = 2$

より $y = -x+2$ となります。

ここで $t^2 \geqq 0$ より

$x = t^2 + 1 \geqq 1$

よってこれは傾きが $-1$, $y$ 切片が $2$ であり, $x \geqq 1$ である半直線になります。

$Q2$.
以下の媒介変数表示された曲線を $x$ と $y$ の関係式で表しなさい。

(1) $\begin{cases} x = 3\cos t \\ y = 3\sin t \end{cases}$
(2) $\begin{cases} x = 3\cos t \\ y = 2\sin t \end{cases}$
(3) $\begin{cases} x = \dfrac{4}{\cos t} \\ y = 3\tan t \end{cases}$
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(1) $x^2 + y^2 = 9$
(2) $\left( \dfrac{x}{3} \right)^2 +\left( \dfrac{y}{2} \right)^2 = 1$
(3) $\left( \dfrac{x}{4} \right)^2 - \left( \dfrac{y}{3} \right)^2 = 1$

与えられた式から $t$ を消去して, $x$ と $y$ だけの式に変形します。

(1)

$x^2 + y^2 = 9\left( \cos^2 t + \sin^2 t\right) = 9$

よってこの曲線は原点を中心とする半径 $3$ の円になります。

(2)

$\left( \dfrac{x}{3} \right)^2 +\left( \dfrac{y}{2} \right)^2 =\cos^2 t + \sin^2 t = 1$

よって, この曲線は $2$ 点 $(\pm \sqrt{5},0)$ を焦点とする楕円になります。

(3)

$\left( \dfrac{x}{4} \right)^2 - \left( \dfrac{y}{3} \right)^2 = \dfrac{1}{\cos^2 t} - \tan^2 t = \dfrac{1 - \sin^2 t}{\cos^2 t} = \dfrac{\cos^2 t}{\cos^2 t} = 1$

よって, この曲線は $2$ 点 $\left( \pm 5 ,0 \right)$ を焦点とする双曲線になります。

$Q3$.
次の式で定義される曲線を, 媒介変数 $t$ を用いて表しなさい。

(1) $\dfrac{x^2}{4} + \dfrac{y^2}{9} = 1$
(2) $x^2 - \dfrac{y^2}{25} = -1$
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(1) $\begin{cases} x = 2\cos t \\ y = 3 \sin t \end{cases}$
(2) $\begin{cases} x = \tan t \\ y = \dfrac{5}{\cos t} \end{cases}$

(1)

$\begin{cases} x = 2\cos t \\ y = 3 \sin t \end{cases}~~\cdots (a)$

とおけば

$\dfrac{(2\cos t)^2}{4} + \dfrac{(3\sin t)^2}{9} = \cos^2 t + \sin^2 t = 1$

となるので, $(a)$ のように表せる点はこの曲線上にあることがわかります。

逆に, この曲線上にある点は適当な $t$ を選べば $(a)$ の形で表すことができます。

よってこの曲線は媒介変数 $t$ を用いて

$\begin{cases} x = 2\cos t \\ y = 3 \sin t \end{cases}$

と表すことができます。

(2)

$\begin{cases} x = \tan t \\ y = \dfrac{5}{\cos t} \end{cases}~~\cdots (a)$

とおけば

$\tan^2 t - \dfrac{\left( \dfrac{5}{\cos t}\right)^2}{25} = \tan^2 t - \dfrac{1}{\cos^2 t} = \dfrac{\sin^2 t -1}{\cos^2 t} = \dfrac{-\cos^2 t}{\cos^2 t} = -1$

となるので, $(a)$ のように表せる点はこの曲線上にあることがわかります。

逆に, この曲線上にある点は適当な $t$ を選べば $(a)$ の形で表すことができます。

よってこの曲線は媒介変数 $t$ を用いて

$\begin{cases} x = \tan t \\ y = \dfrac{5}{\cos t} \end{cases}$

と表すことができます。

$Q4$.
次の式で表される曲線の, $t =\dfrac{\pi}{6}$ に対応する点における接線の方程式を求めなさい。

$\begin{cases} x = \cos t \\ y = \sin t\end{cases}$
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$y = -\sqrt{3}x + 2$

$x =f(t),~y= g(t)$ と媒介変数表示された関数に対し

$\dfrac{dy}{dx} = \dfrac{g'(t)}{f'(t)}~~(f'(t)\not=0)$

が成り立ちます。$x = \cos t,~y=\sin t$ であるから

$\dfrac{dy}{dx} = \dfrac{(\sin t)'}{(\cos t)'} = -\dfrac{\cos t}{\sin t}$

よって $t = \dfrac{\pi}{6}$ に対応する点における接線の傾き $a$ は

$a = -\dfrac{~ \cos \dfrac{\pi}{6} ~}{\sin \dfrac{\pi}{6}} = -\dfrac{ \dfrac{\sqrt{3}}{2} }{\dfrac{1}{2}} = -\sqrt{3}$

$t = \dfrac{\pi}{6}$ に対応する点の座標は

$\left( \cos \dfrac{\pi}{6}, \sin \dfrac{\pi}{6} \right) = \left( \dfrac{\sqrt{3}}{2}, \dfrac{1}{2} \right)$

であるから, 接線の方程式は

$y - \dfrac{1}{2}= -\sqrt{3} \left( x- \dfrac{\sqrt{3}}{2} \right)$

となり, 整理すると $y = -\sqrt{3}x+2$ となります。