$Q1$.
$f(x) = \sqrt{x}$ に対し, 次の導関数を求めなさい。
$Q2$.
次の関数の第 $4$ 次導関数を求めなさい。
$f(x)$ を微分していくと
$f'(x) = 2\cos 2x$
$f''(x) = -4\sin 2x$
$f^{(3)}(x) = -8\cos 2x$
$f^{(4)}(x) = 16\sin 2x$
よって $f^{(4)}(x) = 16\sin 2x$ となります。
$Q3$.
次の関数の第 $n$ 次導関数を求めなさい。
(1)
$f(x)$ を微分していくと
$f'(x) = 2e^{2x}$
$f''(x) = 4e^{2x} = 2^2e^{2x}$
$f^{(3)}(x) = 8e^{2x} = 2^3e^{2x}$
となるので, $f(x)$ の第 $n$ 次導関数は
$f^{(n)}(x) = 2^ne^{2x}$
と予想ができます。数学的帰納法を用いて
任意の自然数 $n$ に対し $f^{(n)}(x) = 2^ne^{2x}$
が成り立つことを証明しましょう。
$[1]$ $n=1$ の時, $f^{(1)}(x) = f'(x) = 2e^{2x} = 2^1e^{2x}$ より主張が成り立つ。
$[2]$ $n = k$ で主張が成り立つと仮定すると
$f^{(k)}(x) = 2^ke^{2x}$
であるから, 第 $(k+1)$ 次導関数は
$f^{(k+1)}(x) = \dfrac{d}{dx} f^{(k)}(x) = \left( 2^ke^{2x}\right)' = 2^{k+1}e^{2x}$
よって $k+1$ の時も主張が成り立つ。
以上から, 任意の自然数 $n$ に対し $f^{(n)}(x) = 2^ne^{2x}$ が成り立つ。
よって $f(x)$ の第 $n$ 次導関数は $f^{(n)}(x) = 2^ne^{2x}$ となります。
(2)
$f(x) = (x+1)^{-1}$ であるから, $f(x)$ を微分していくと
$f'(x) = -(x+1)^{-2}$
$f''(x) = -(-2)(x+1)^{-3} = (-1)^2\cdot 2(x+1)^{-3}$
$f^{(3)}(x) = (-1)^2\cdot 2\cdot (-3)(x+1)^{-4} = (-1)^3\cdot 2\cdot 3(x+1)^{-4}$
$f^{(4)}(x) = (-1)^3\cdot 2\cdot 3\cdot (-4)(x+1)^{-5} = (-1)^4\cdot 2\cdot 3\cdot 4(x+1)^{-5}$
となるので, $f(x)$ の第 $n$ 次導関数は
$f^{(n)}(x) = (-1)^n \cdot n!(x+1)^{-(n+1)}$
となると予想ができます。(1) と同様に, 数学的帰納法を用いて
任意の自然数 $n$ に対し $f^{(n)}(x) = (-1)^n \cdot n!(x+1)^{-(n+1)}$
が成り立つことを証明しましょう。
$[1]$ $n=1$ の時
$f^{(1)}(x) = f'(x) = -(x+1)^{-2} = (-1)^1\cdot 1!(x+1)^{-(1+1)}$
より主張が成り立つ。
$[2]$ $n = k$ で主張が成り立つと仮定すると
$f^{(k)}(x) = (-1)^k \cdot k!(x+1)^{-(k+1)}$
であるから, 第 $(k+1)$ 次導関数は
$\begin{eqnarray*} f^{(k+1)}(x) & = & \left( (-1)^k \cdot k!(x+1)^{-(k+1)} \right)'\\[0.5em] & = & \left( (-1)^k \cdot k!\cdot \left( -(k+1)\right)(x+1)^{-(k+1)} \right)'\\[0.5em] & = & (-1)^{k+1} \cdot (k+1)!(x+1)^{-(k+2)} \end{eqnarray*}$
よって $k+1$ の時も主張が成り立つ。
以上から, 任意の自然数 $n$ に対し $f^{(n)}(x) = (-1)^n \cdot n!(x+1)^{-(n+1)}$ が成り立つ。
よって $f(x)$ の第 $n$ 次導関数は $f^{(n)}(x) = \dfrac{(-1)^n}{n!(x+1)^{n+1}}$ となります。
$Q4$.
次の関数の第 $4$ 次導関数を求めなさい。
ライプニッツの公式
$\displaystyle \left\{ f(x)g(x) \right\}^{(n)} = \sum_{k=0}^n {}_n{\rm C}_kf^{(k)}(x)g^{(n-k)}(x)$
を利用します。
$g(x) = x^4$, $h(x) = e^x$ とすると
$g'(x) = 4x^3$, $~g''(x) = 12x^2$, $~g^{(3)}(x) = 24x$, $~g^{(4)}(x) = 24$
$h^{(n)}(x) = e^x$
であるから, ライプニッツの公式を用いると
$ \begin{eqnarray*} f^{(4)}(x) & = & \sum_{k=0}^4 ~_4{\rm C}_k g^{(k)}(x)h^{(4-k)}(x) \\[0.5em] &=& \left({}_4{\rm C}_0 \cdot x^4 +{}_4{\rm C}_1 \cdot 4x^3 +{}_4{\rm C}_2 \cdot 12x^2 + {}_4{\rm C}_3 \cdot 24x +{}_4{\rm C}_4 \cdot 24 \right)e^x\\[1em] &=& (x^4 + 16x^3 + 72x^2 + 96x + 24)e^x \end{eqnarray*} $
何回でも微分可能な関数 $f(x)$ と自然数 $n$ に対し, $f(x)$ を $n$ 回微分したものを $f(x)$ の第 $n$ 次導関数といい $f^{(n)}(x)$ と表します。
(1)
$f(x) = x^{\frac{1}{2}}$ であるから
$f'(x) = \dfrac{1}{2}x^{-\frac{1}{2}}$
もう $1$ 度微分すると
$f''(x) = \left( \dfrac{1}{2}x^{-\frac{1}{2}} \right)' =\dfrac{1}{2}\cdot \left(-\dfrac{1}{2}\right)x^{-\frac{1}{2}-1} -\dfrac{1}{4}x^{-\frac{3}{2}}$
よって $f''(x) = -\dfrac{1}{4\sqrt{x^3}}$ となります。
(2)
(1) の結果を使うと
$f^{(3)}(x) = \left( -\dfrac{1}{4}x^{-\frac{3}{2}} \right)' = \dfrac{3}{8}x^{-\frac{5}{2}}$
よって $f^{(3)}(x) = \dfrac{3}{8\sqrt{x^5}}$ となります。