12. 極大・極小 例題集

$Q1$.
次の関数の極値を求めなさい。

(1) $f(x)= x^2 -2x+4$
(2) $f(x)= x^3 +6x^2-15x+11$
解答・解説を見る
(1) $x=1$ の時, 極小値 $3$
(2) $x=-5$ の時, 極大値 $111$, $x=1$ の時, 極小値 $3$

(1)
$f(x)$ を微分すると

$f'(x) = 2x-2$

よって $f'(x)=0$ の時, $x=1$ であり, 増減表は下のようになります。

$ \begin{array}{|c|c|c|c|} \hline x & \ \cdots\ & 1 & \ \cdots\ \\ \hline f'(x) & - & 0 & + \\ \hline f(x) & \searrow & 3 & \nearrow \\ \hline \end{array}$

増減表から, 関数 $f(x)$ は

$x=1$ で極小値 $f(1)=3$

を取ることがわかります。

(2)
$f(x)$ を微分すると

$f'(x) = 3x^2 + 12x -15 = 3(x+5)(x-1)$

よって $f'(x)=0$ の時, $x=-5,~1$ となり, 増減表は下のようになります。

$ \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|} \hline x & \ \cdots\ & -5 & \ \cdots\ & 1 & \ \cdots\ \\ \hline f'(x) & + & 0 & - & 0 & + \\ \hline f(x) & \nearrow & 111 & \searrow & 3 & \nearrow \\ \hline \end{array}$

増減表から, 関数 $f(x)$ は

$x=-5$ で極大値 $f(-5)=111$

を取り, また

$x=1$ で極小値 $f(1)=3$

を取ることがわかります。

$Q2$.
次の関数の極値を求めなさい。

(1) $f(x) = \dfrac{x^2-1}{x^2+1}$
(2) $f(x) = x + \dfrac{9}{x-1}$
解答・解説を見る
(1) $x=0$ の時, 極小値 $-1$
(2) $x=-2$ の時, 極大値 $-5$, $x=4$ の時, 極小値 $7$

(1)

$f(x) = \dfrac{(x^2+1)-2}{x^2 +1} = 1- \dfrac{2}{x^2+1}$

であるから

$f'(x) = \dfrac{4x}{(x^2+1)^2}$

よって $f'(x)=0$ の時, $x=0$ であり, 増減表は下のようになります。

$ \begin{array}{|c|c|c|c|} \hline x & \ \cdots\ & 0 & \ \cdots\ \\ \hline f'(x) & - & 0 & + \\ \hline f(x) & \searrow & -1 & \nearrow \\ \hline \end{array} $

増減表から関数 $f(x)$ は

$x=0$ で極小値 $f(0)=-1$

を取ることがわかります。

(2)
$f(x)$ を微分すると

$f'(x) = 1 + \dfrac{9}{(x-1)^2} = \dfrac{(x-1)^2 - 9}{(x-1)^2} = \dfrac{(x+2)(x-4)}{(x-1)^2}$

よって $f'(x)=0$ の時 $x=-2,~4$ であり, 増減表は下のようになります。

$x=1$ は定義域に含まれていないことに注意しましょう。

$ \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|} \hline x & \ \cdots\ & -2 & \ \cdots\ & 1 & \ \cdots \ & 4 & \ \cdots \\ \hline f'(x) & + & 0 & - &\diagup & - & 0 & + \\ \hline f(x) & \nearrow & -5 & \searrow &\diagup & \searrow & 7 & \nearrow \\ \hline \end{array} $

増減表から関数 $f(x)$ は

$x=-2$ で極大値 $f(-2)=-5$

を取り, また

$x=4$ で極小値 $f(4) = 7$

を取ることがわかります。

$Q3$.
次の関数の極値を求めなさい。

$f(x) = \sqrt{x^2 -2x+5}$
解答・解説を見る
$x=1$ の時, 極小値 $2$

$f(x)$ を微分すると

$f'(x) = \dfrac{2x-2}{2\sqrt{x^2-2x+5}}=\dfrac{x-1}{\sqrt{x^2-2x+5}}$

よって $f'(x)=0$ の時, $x=1$ であり, 増減表は下のようになります。

$ \begin{array}{|c|c|c|c|} \hline x & \ \cdots\ & 1 & \ \cdots\ \\ \hline f'(x) & - & 0 & + \\ \hline f(x) & \searrow & 2 & \nearrow \\ \hline \end{array} $

増減表から関数 $f(x)$ は

$x=1$ で極小値 $f(1)=2$

を取ることがわかります。

$Q4$.
次の関数の極値を求めなさい。

(1) $f(x) = x + 2\sin x~~(0\lt x \lt 2\pi)$
(2) $f(x) = e^{-x}\sin x~~(0\lt x \lt 2\pi)$
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(1) $x=\dfrac{2}{3}\pi$ の時, 極大値 $\dfrac{2}{3}\pi + \sqrt{3}$, $~~x=\dfrac{4}{3}\pi$ の時, 極小値 $\dfrac{4}{3}\pi - \sqrt{3}$
(2) $x=\dfrac{\pi}{4}$ の時, 極大値 $\dfrac{e^{-\frac{\pi}{4}}}{\sqrt{2}}$, $~~x=\dfrac{5}{4}\pi$ の時, 極小値 $ - \dfrac{e^{-\frac{5}{4}\pi}}{\sqrt{2}}$

(1)

$f'(x) = 1 +2\cos x$

であるから $f'(x)=0$ とすると

$\cos x= -\dfrac{1}{2}$

$0 \lt x \lt 2\pi$ であるから $f'(x)=0$ の時, $x = \dfrac{2}{3}\pi,~\dfrac{4}{3}\pi$ となります。

よって増減表は下のようになります。

$ \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline x & 0 & \ \cdots\ & \dfrac{2}{3}\pi & \ \cdots\ & \dfrac{4}{3}\pi & \ \cdots\ & 2\pi \\ \hline f'(x) & & + & 0 & - & 0 & + & \\ \hline f(x) & \diagup & \nearrow & \dfrac{2}{3}\pi + \sqrt{3} & \searrow & \dfrac{4}{3}\pi - \sqrt{3} & \nearrow & \diagup \\ \hline \end{array}$

増減表から関数 $f(x)$ は

$x=\dfrac{2}{3}\pi$ で極大値 $f\left(\dfrac{2}{3}\pi\right)=\dfrac{2}{3}\pi + \sqrt{3}$

を取り, また

$x=\dfrac{4}{3}\pi$ で極小値 $f\left(\dfrac{4}{3}\pi\right)=\dfrac{4}{3}\pi - \sqrt{3}$

を取ることがわかります。

(2)

$f'(x) = -e^{-x}\sin x + e^{-x}\cos x = e^{-x}( \cos x - \sin x)$

であるから, $f'(x)=0$ とすると $e^{-x}\not=0$ より

$\cos x - \sin x =0$

三角関数の合成を用いると

$\cos x - \sin x = \sqrt{2} \sin\left( x- \dfrac{\pi}{4} \right)=0$

$0 \lt x \lt 2\pi$ より

$x- \dfrac{\pi}{4} = 0,~\pi$

よって $f'(x)=0$ の時 $x=\dfrac{\pi}{4},~\dfrac{5}{4}\pi$ であり, 増減表は下のようになります。

$ \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline x & 0 & \ \cdots\ & \dfrac{\pi}{4} & \ \cdots\ & \dfrac{5}{4}\pi & \ \cdots\ & 2\pi \\ \hline f'(x) & & + & 0 & - & 0 & + & \\ \hline f(x) & \diagup & \nearrow & \dfrac{e^{-\frac{\pi}{4}}}{\sqrt{2}} & \searrow & -\dfrac{e^{-\frac{5}{4}\pi}}{\sqrt{2}} & \nearrow & \diagup \\ \hline \end{array}$

増減表から関数 $f(x)$ は

$x=\dfrac{\pi}{4}$ で極大値 $f\left(\dfrac{\pi}{4} \right)=\dfrac{e^{-\frac{\pi}{4}}}{\sqrt{2}}$

を取り, また

$x=\dfrac{5}{4}\pi$ で極小値 $f\left(\dfrac{5}{4}\pi \right) = - \dfrac{e^{-\frac{5}{4}\pi}}{\sqrt{2}}$

を取ることがわかります。